こんにちは。ビデオグラファー秀吉です。
先日こんな動画を作成しました。
撮影や編集を僕が行ったのですが・・
実は今回走行シーンの大半をスマートフォン(iPhone)で撮影しました。
そしてそのために使ったのがジンバルというアイテム。まあ映像を見てもらうのが早いのですが、今回はジンバルを使ったらスマホでもこんな映像が撮れるよって言うのを突っ込んで解説してみたいと思います。
ジンバルの簡単な解説や使い方のコツなど
ジンバルってなに?
まずジンバルとは手ブレを抑えるためのスタビライザーの一種です。ブラシレスだとか三軸だとかそういう難しい話は置いておきます。
要するにジンバルは手ブレを抑えるための道具です。
こんなやつ。
これは一眼レフ用ですが、こんな感じで激しく手を動かしてもカメラが滑らかに動くので手ブレを抑えてくれます。
このジンバルと呼ばれるアイテム、最近徐々に知名度が上がってきたなと感じていますが・・この記事を読んでいる方なら見た事あるのではないでしょうか。
スマートフォン用なら15000円くらいで結構いいのが買えてしまいます。僕は動画制作をはじめたのは最近なので詳しくは知りませんが、昔はジンバルというアイテムはもっと高価だったそうです。これからもっと安くなれば自撮り棒並みに普及していくかも知れませんね。
話がそれましたが、例えばカメラやスマートフォンを手持ちで撮影していて手ブレしたりすると補正しきれなかった部分はそのままブレとして画面に反映されます。ですがその微妙な揺れを感知してジンバルのモーターが常に一定位置を保ってくれる(イコール手ブレしない)というわけです。
・・こんな感じの道具を使って撮影をしていきます。
自分が動きながらの撮影で強さを発揮する
最近のカメラは非常に優秀で、スマートフォンでも手ブレ補正がついていたりします。それでも手ブレしやすい時というのは、自分が動いている時です。
・カメラを振って対象をレンズ越しに追いかける
・対象の前後左右から、追従しながら撮る
・・などなど。自分が歩いていても、定位置でカメラを振っていてもどっちでもいいですが要するに体のどこかを動かしながら撮ると手ブレ補正ではカバーしきれないくらいのブレが発生してきます。
そんな時に威力を発揮するのがジンバル!
動画を例にして見てみましょう。
(再生すると50秒あたりから再生します)
例えばこのバイクが向かってくるシーン、僕がコースを横断しながら軽くティルト(カメラを縦に振る事)して正面から走ってくるバイクを撮っています。
普通に手持ちで撮影しても横歩きしながらティルトなんてした時点でどうしようもないくらいブレブレの映像になってしまいますよね。しかしジンバルがブレを抑制しているおかげで滑らかな映像になっていると思います。
ジンバルでないと撮れない映像です。効果抜群ですね。
映像撮影の基本はフィックス(カメラを動かさずフレームを固定して撮影する事)だと言われていますが、やはりバイクの映像となると動きが欲しいシーンはありますよね!
フィックスで撮影するだけなら正直三脚でもいいのですが、自分が動きながら撮影をするときに強いのがこのジンバルです!
コツはジンバルを使っても手ブレを抑えるような動き方をすること!
ここまでいかに手ブレを抑えてくれる素晴らしいアイテムかを紹介してきましたが、ジンバルにも限界があります。
例えばジンバルを持って走ったりするとき、普通に体全体を揺らしてダッシュなんかしてしまうのはNGです。
こうなるとジンバル本体ごと激しく揺れてしまうので結局ブレた映像になってしまいます。それでも手持ちよりは滑らかにはなりますが・・
ジンバルを持ったうえで、ジンバルを激しく揺らさないような動き方をしましょう。脇をしめて好きな高さでジンバルを構えて、中腰で、すり足で歩いたり走ったりするようなイメージです。見た目はマヌケな事この上ないですが難しい事ではないです。
またまた動画を例に、実際に僕がダッシュしながら撮ったシーンを紹介します。
(↓再生すると1分38秒辺りから再生します。)
この木の間を駆け抜けるシーンを撮影した時、ジンバルを持ってダッシュしてバイクと並走しているのですが全然ブレていないのが分かると思います。
森の中なので足元には木の枝やぬかるんだ土などがあるような場所でしたが、上記のジンバル持ちに慣れてしまえば足元が悪くてもこんないい感じの映像がスマートフォンでも撮れますよ!
デメリット
実際に使ってみて「ここは気になるなあ」という場所もあったので、デメリットも紹介します。
重たい。
シンプルに重たいです。今回僕が使ったのは冒頭に写真を載せたOSMO MOBILE2というスマートフォン向けの軽量なジンバルです。それでもスマホを搭載していない状態で約485gあります。
だいたい500mlの飲料が入ったペットボトルをずっと持っているようなものです。OSMO MOBILE2とiPhone8plusを合わせた場合は686gなのでそれ以上です。
ペットボトルなんて書くと軽そうに思えるかも知れませんが、ペットボトルとは違いジンバルは重さが全体で均一になっていません。ジンバルはスマートフォンをのせるギミックの方(つまり自分が握る部分と反対側)が重たくなっていて、さらにそこにスマホを載せるわけです。そのため重さを感じやすいのです。
ペットボトルも、ただ真ん中辺りを掴んで持っているのと、キャップの部分をつかんで持っているのでは重さの感じ方って全然違いますよね?
同じように、ジンバルのグリップ部分を持ってずっと胸の高さで構えていたりすると手首に思ったより負担がかかるんですよね。
「もう持てない・・」
となるほどの重さでもないですが、ずっと持っていると多少疲れてきますね。
かさばる。
見ての通り複雑な形をした機械です。スマホを外してケースにいれても結構かさばります。かと言ってケースにしまわずそのままカバンなどに放り込むと何かの拍子にアームなどに力がかかって破損しないか不安です。
ずっとスマホをのせてジンバルを手に持ったまま撮影に専念できるような環境ならいいと思いますが、ツーリングなどでその場その場でジンバルを出して撮影して・・というのは手間の問題から現実的ではないと思いますね。
ジンバルを使う際に絶対にやってはいけない2つの注意点!
ジンバルの破損を防ぐために非常に大事な事なので見出しを分けました。
1.スマホやカメラを載せる前にジンバルの電源をいれないこと!
取扱説明書や他サイトのジンバルに関する記事等を見ていてもそこまでちゃんと書かれていない事があるのですが絶対に気を付けて欲しいこと。
ジンバルというのはスマートフォンやカメラを載せて稼働することを想定されています。何も載せていない状態でジンバルを起動させると最悪暴走して壊れてしまうので気を付けましょう。
2.稼働状態のジンバルのアームを手で動かなさい!
稼働状態のジンバルを無理矢理動かすのもNGです。モーターに負荷がかかって最悪ショートして壊れます。電源をいれていないとモーターが稼働していないのでジンバルのアームが気持ちいいほどクルクル動きますが、電源を入れているときはモーターでバランスを取っています。なので手で無理矢理動かして負荷をかけたりするような事は絶対NGです。気を付けましょう。
まとめ
というわけで、ジンバルを使うだけでスマートフォンでも印象的な映像が色々撮れるのがお分かりいただけたでしょうか。
デメリットも紹介しましたが、それを差し引いても魅力的なアイテムだと思います。
スマートフォンのカメラは一眼レフやビデオカメラと比べてしまえば当然画質や機能性では劣りますが、今やほとんどの人が持っていて、何よりも手軽に撮影出来て、編集までスマートフォンで出来てしまう時代です。
特に最新機種のiPhoneのカメラは画質も機能も素晴らしいですね・・。今回僕が撮影に使ったスマートフォンもiPhoneです。
かっこいい動画を撮るために初期投資としてジンバルというアイテムは必要ですが、一眼レフカメラを買うよりも圧倒的に安く済みます。
皆さんもジンバル、買ってみてはいかが?