バイク系イラストと美少女を描かれてる まるよ(@maruyo) さんは、同人活動はもちろんバイク雑誌でも連載を持っているSNSでは有名な絵描きライダーです。
「まるよさんって誰?」という方は前回の紹介記事をチェック。
今回は絵描きライダーであるまるよさんに「バイク系のイラストを描くことを趣味や仕事としてやっていきたい!」という方向けにインタビュー。
まるよさんのバックグランドやバイクを描く大変さ、SNSで反応をもらう方法、二次創作とオリジナルどちらがいいのか、等を聞いてきました。
バイクイラストを描くのが好きな方は必見です!!
いつからバイクイラストを描いてるの?
まるよさんはいつ頃から絵を描く活動をされていたのでしょうか?イラストの仕事についても聞いてきましたよ!
ーーそもそもまるよさんのお仕事は絵描きさんなのですか?
まるよ:ちがいます(笑) 今は趣味としてイラストを描いたり雑誌編集したり山に登ったり、それ以外にも面白いなって思った事をやっています。
ーー本業ではなく趣味なのですね!過去にもイラストが本職だったことは?
まるよ:イラストではないですが大学時代はデザイナーとしてナムコで働いていました。アーケードゲームである「ドラゴンセイバー」のメイン背景を担当したりと何故かバイトなのに責任ある仕事をしていました。ナムコを退職してからは書籍関連のエディターに移行しましたが、イラストは趣味としてずっと続けています。
ーーイラストはいつ頃から描かれていたのです?
まるよ:昔から絵を描くのが好きでよくバイク雑誌の読者投稿で応募していました。雑誌に自分のイラストが載るとうれしかったですね~。あとはコミケ等の同人即売会は毎年応募し活動していました。
ーー今だとバイク雑誌で読者のイラスト投稿って滅多に見ない気が。時代ですね
まるよ:ですね。何度も投稿していたからかバイク雑誌「チャンプU」さんからはお仕事としてバイクイラストを描かせて頂いた事もありまり楽しかったです。今と違って発表する場が少なかったので雑誌応募と同人活動がメインでした。
バイクを描くのは大変!
ーーバイクイラストってやっぱり描くのは大変なのですか?
まるよ:バイク描く人はマゾだと思っていますw バイクのイラストは昔から人気ですが描く人は決して多くはなかったです。というのもバイクって線が多いので描くのがとても大変なんです。試しにバイクをトレースしてみるとわかりますが、とレースだけでも嫌になるくらい大変です。特にエンジンやメカ部分が見えるオートバイはパーツを全部描かないといけないし、バイクが好きな人じゃないとトレースだけでも根をあげたくなります。まぁ車は車で難しいのですが・・・

写真のようなバイクの描きこみ。ブロックタイヤは大変そう・・・
ーーまるよさんレベルでもバイクを描くのは大変なのですか?
まるよ:昔よりはツールが充実しているので難易度は下がっていますね。参考資料も反転できたり解像度も高いので構造も理解できる。しかし線が多いのは変わりません。”愛”がないと続けられないなぁと思います。

スーパーフリー愛がすごい・・・
“バイク”から”美少女”へ
ーー今の「バイク×美少女」はいつから流行っていたのでしょうか?描かれている方は多いジャンルですよね
まるよ:“女性とバイク”のイラストは漫画『逮捕しちゃうぞ』あたりから流行ったと思います。もともとレーサーレプリカはある種のオタクが乗っていることが非常に多かったんです。「レーサーのつなぎを着て堂々と公道を走れるぞ(歓喜)」と。なのでコミケはモーターショーみたいなもので、バイクと美少女のイラストは相性がよく受けが良かったのだと思います。

絵は今とは違うけどバイクの迫力ある!
ーー昔のバイク乗りって不良ばかりだと思ってたら意外にオタクも多かったのですねw まるよさんはバイクイラストから美少女(単体)を描くようになったのはいつからです?
まるよ:同人活動で描くジャンルはずっと「バイク×美少女」だったのですが2000年あたりからコミケで落選するようになったんです。それまで「創作」というジャルで出していたのですが運営から「バイクは”メカミリ(メカ・ミリタリー)”で出してくれ」と言われて・・・それを頑なに断っていたのが落選した理由だと思います笑 そこで「”バイク”が落とされるなら”ジャージと制服のJK”を描こう」と思い、「セーラー服×ジャージ」というスタイルにシフトチェンジしたんです。

Jersey life!NO.4|2008年8月発行
ーーセーラ服はわかる。・・・ジャージ!?
まるよ:ジャージですw 全部オリジナルでやっていたのでニッチでマニアックでしたがそういうのが好きなファンもいましたw そして2009年ごろからまたバイクイラストに戻りTwitterで面白おかしく多方面に活動し始めました。例えば、同人活動では「ロングライダース」や「シクロポリス」と行った自転車のイラストでも活躍しました。なお、ロングライダースは幼女チャリダー担当ですw これは今でも続いており、同人活動では自分のサークル以外だと自転車サークルへの寄稿がメインなのです。自転車商業誌の仕事もしてたくらいにはチャリダーw
冬コミ新刊「シクロポリス Vol.9」、本日はいよいよ表紙のご案内です! 素敵なイラストを描かれたのはまるよさん @maruyo_ 仲良し2人の背景の丸太造り…ムムムこれは見覚えがあります! 楽しい記事盛り沢山の一冊になってますよー pic.twitter.com/9CfWHHHCms
— cyclopolis/4日目西き-43a (@cyclopolis_jp) 2015年12月22日
ラブライブ!で二次創作!
今までは頑なにオリジナル(「バイク×美少女」「ジャージ×制服」等)でこだわりを持って活動してきたまるよさんですが、とある時にテレビアニメ「ラブライブ!」の二次創作をTwitterで公開し始めたんだそう。

ラブライダー!

kawasaki Ninja H2
まるよ:Twitterを初めてすぐの頃はバイクのイラストばかり描いていたのですが、とある頃からラブライブ!の二次創作を描くようになりました。ラブライブ!のキャラクターとバイクのイラストは、バイクに興味がないライブライブ!ファンの人にまで届くのが大きな発見でした。今まで自分の絵を見てくれなかった層に届いたのが楽しかったです。
↓個人的に好きな”もくもく木曜日”
もくもく木曜日 pic.twitter.com/O4qAQoewxe
— まるよ@月刊オートバイ臨増rider連載中 (@maruyo_) 2017年1月12日
実際、ラブライブ!を描くことでTwitterでも拡散されやすくなり、フォロワー数も増えたそうです。
二次創作は難しい!
二次創作でさらに加速するようにフォロワーが増えたまるよさんですが、二次創作には”いい面と悪い面“があるんだとか。
ーー二次創作だけじゃだめなんですか?
まるよ:二次創作の良いところは「既に存在するキャラクターを使える」のと「原作キャラを好きな人が反応してくれる」ことです。二次創作の方がツイートも伸びやすいですね。ただ、悪いところもあります。人気がある作品ほどライバルが多くレベルも高くなるので画力が高かったり工夫出来ないと目立てないんです。あと反応をたくさんもらえるようになっても「オリジナルにあやかっている」と言われることもあります。実際、原作ありきなので自分の個性を出すのが難しいんです。

ラブライブ!とセロー225を描く人はまるよさんくらいだろう・・・
ーー有名になりたいならオリジナルの方が良いのです?
まるよ:二次創作で成功している人はオリジナルでも個性的な絵描きが多い気がします。とはいえ最初はオリジナルで書いても見たり反応してくれる人が少ないのでそれも辛いんですけどね・・・。最初はやりたいジャンルを描く事が何より良いですがある程度描けるようになったらオリジナルもやっていくと、後々動きやすいはずです。
ーー何を目指すかにも変わりそうですね!
まるよ:自分がどうありたいのかによって変わってきますね!自分が好きなキャラを自由に描きたい、人を喜ばせたい、反応をたくさんもらいたいなら二次創作のほうが広げやすいです。でも”自分が描きたいもの”があったり”人からお金を頂いて絵を描きたい”ならオリジナルなスタイルはあったほうが有利です。キャラに制限が無いので自由にできますし。

可愛いキャラとかっこいいバイクのバランスはまるよさんスタイルとも言える
・・・まるよさんはもともとバイクや美少女(セーラ服やジャージ)をオリジナルで描いていた下地があって、そこにラブライブ!などのキャラクターがコラボする形だからうまくいったのでしょうね。これからイラストをやっていきたい人はオリジナルで自分のスタイルを作り、二次創作をコラボレーションさせる感じが良いのかもしれません。
漫画?イラスト?
ーーこれからTwtiterで有名になって絵でお金を稼ぎたいなら漫画とイラストどちらがおすすめですか?
まるよ:商業誌でのチャンスは漫画の方があります。昔は漫画アシスタントからスタートして技を盗みながらプロを目指すしかなかったですが、今は内容が面白くて商業レベルに到ってればTwitterで公開した漫画が広がって編集者の目にとまり、連載。となる事も珍しくありません。
ーー最近見かけますよね!イラストはそういうのはないのですか?
まるよ:イラスト、特にバイクや美少女関係は連載を考えると厳しい世界です。理由としては簡単で、イラストを連載する媒体が少ないからです。バイク雑誌等でたまに雑誌に載ることはあるかもしれませんが年単位で継続してやっていくのはかなり難しいです。
ーー漫画とイラストって似てるなって思っていましたが全然違うのですね。。。
まるよ:漫画とイラストでは求められるスキルが違いますね。漫画は媒体になれますがイラストは媒体の上に乗るものなので。出来るなら漫画をやったほうがチャンスがある思います。もちろん向き不向きや好き嫌い、そしてスキルがあるのは大前提ですが。
イラストで連載を持つまるよさんにもう少し聞いてみる
イラストだけで食っているわけではないですが趣味としてイラストでお金をもらいつつ楽しく活動しているまるよさん。もう少し商業紙での話や仕事をもらえるためにやっていることなどを突っ込んでインタビューして行きましょう。
ーー”難しい”といいつつ、まるよさんは雑誌で連載を持たれていますね?
まるよ:はい。月刊オートバイ雑誌「rider(ライダー)」でテストライドして絵を描いて文章を書いて写真撮る連載をしてます。自分は昔から色々首を突っ込んでやっていくタイプだったことが生きたのと、たまたまラッキーな出会いがあった事が大きかったです。

素人の僕からしたら公式のイラストにも感じるゆるキャン△のイラスト
ーーまるよさんってお仕事で声かけられる事が多そうだなって感じるのですが、普段から心がけていることってありますか?
まるよ:人と違うものや特化したことを探して発信するようにしています。そのほうがライバルも少ないし「○○ならまるよが詳しいぞ」とか呼んでもらえる。まぁ昔から人と違うことをするのが楽しいだけなんですけどね笑 あとは、営業も大事です!
ーー営業ですか!!
まるよ:営業といっても押し売りとかじゃなく、SNSで発信したり興味ある業界の人とは積極的に交流したり、首を突っ込んだり…みたいな事です。すると声がかかったり別の人を経由して仕事の依頼が来ることも。今ならSNSという最高の発信ツールがあるのでいつでも宣伝できますし活用していったほうがいいと思います。
みんながやっていない事をバイクでやってみよう
まるよさんは「人と違うこと」として、例えば山スキーというものをやられています。スキー装備をした状態で山登りして上に着いたらスキーで下山するというアクティビティ。

冬の雪山スキー
山スキーということだけでも割とマニアックですが、まるよさんは山スキーをしに敢えてバイクでいくこともあるんだとか。車も持ってるのに・・・

山スキー用装備を積載したスーパーフリー
まるよ:今のバイクに飽きたりちょっとつまらないなって思ったら、みんながやらない何かをやってみると面白いです。オフロードを走ってみたり、雪の上を走っていたり、サーキットを走ってみたり、無茶な積載をしてみたり。。。もちろん今が楽しいなら無理にチャレンジしなくてもいいです。ただバイクに飽きてきた時は降りる前に色々な楽しみがあるので挑戦してみてほしいです。今はネットで聞いたり調べるだけで親切な人が情報をアップしてくれていますし。
ーーまるよさんの最近のチャレンジは?
まるよ:8/24-25のもて耐(250cc以下のバイクを使用した7時間耐久レース)に4人でエントリーしました。チームメンバーにはレース初心者もいるので「勝ちに行く」というよりはチャレンジの要素が大きいです。どうなるかはわかりませんが面白くなったら記事にする予定です。
タダでイラストを描くのはやめた方がいい
まるよさんのイラストって可愛いしかっこいいので「タダで描いてくれ」とかきそう。あとたまに見かける「イラスト・アイコンを無料で描きます!」という絵描きさんの投稿。まるよさんも昔はやったりしていたのか気になっていました。
ーー今まででタダでイラスト描くことってやっていましたか?
まるよ:昔気分がよかった時に宣伝効果も期待しつつ「アイコンタダで描きます!」みたいな募集をしたことがあったのですが、依頼が殺到して苦しくなりすぐにやめてしまいました。何が辛いって、頑張って描いたのに一ヶ月くらいで別のアイコンに変わっていたり、(無料で描いたのに)リテイク要求されたりとちょっとしたトラブルもあったことですね。こちらは頑張って描いたイラストなのに〜涙 となりました。
ーーブランディングってやつですね・・・
まるよ:やっぱりタダで描くと絵も大事にされなかったり、依頼者との繋がりも希薄なことが多いですし宣伝効果もそこまでありませんでした。それなら「お金を出してでも描いて欲しい」という人のために頑張った方が評価もされるし相手も喜んでもらえて、自分の価値も高まる気がしますね。
・・・
まるよさん、ありがとうございました!
まとめ
絵描きライダーでエクストリーマーなまるよさんにバイクジャンルでイラストを描いていくことについてざっくばらんにお聞きしました。
インタビューで終始感じたのは、「この人はお金儲けのためではなく楽しいことを追求しているんだな」ってこと。
現在のようにお金をとれる絵描きになるまでには膨大な下積みがあったのは想像にたやすいですが、まるよさんは修行ではなく趣味として追及しているからこそなのだと。
イラストだけに限らず、自分が楽しいと感じることを追求し続けることが何よりも重要なのかもしれません。
まるよさんから今後も目が離せません!
こんな感じ。