こんにちは。ぼっちバイカーです。
ネットで活動を発信している人にインタビューする企画として、今回はオフロードバイクの”エンデューロ”と呼ばれる競技に取り組んでいる もりー(@motomorrino)さんにインタビュー。

もりーさん
彼のことを一言で紹介すると「趣味でエンデューロやってたらオイルメーカーのサポートがついちゃった人」。趣味でサポートがつくなんてなかなかないと思うのですが、どういう経緯だったのかやサポートを受けられた要因についても聞いてきました。
もりーさんってどんな人?
もりーさんはもともとオンロードバイクでツーリングしている人でしたが、4年前の2015年にオフロードバイクであるセロー225を購入。林道ツーリングなどをメインでオフロード遊びにハマったそうです。

セローで爽やかにキャンプツーリング
2017年より走破性が高いHondaのXR400Rでエンデューロ(厳密にはクロスカントリー)の週末ライダー向けレースである”WEX(ウェックス)”Cクラスに参戦し96台中25位。その年のWEXではCクラスで入賞することもあり、レースの難しさや楽しさにハマっていったんだとか。

XR400R時代のもりーさん
2018年からはYAMAHAのエンデューロレーサーであるYZ250FXへ移行。WEXのCクラスだと当たり前のように入賞できてしまうためBクラスへクラスチェンジしそこでも入賞。ここからWEXよりも本格的なクロスカントリーレースであるJNCCにチャレンジすることに。JNCCの一番下であるComp-Rクラスへ出場。初戦でも7位、そしてその年の最終戦では1位と飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長しているライダーなのです。
でも本人は「あくまで趣味として楽しく走ってる」とのこと。
実際クロスカントリーレース一本というわけでなく、JEC(オンタイムエンデューロレース)やハードエンデューロレースにもエントリーしたりと、幅広くオフロードバイクを趣味として楽しんでいます。
そんなもりーさんは2019年から、エンジンオイルメーカーである”LINK-OIL(リンクオイル)”のサポート契約を獲得しました。
趣味ライダーにサポートがつくケースはめずらしい
一般的に、選手にサポートがつくのは「プロ」やその業界の最高峰選手であることが多いです。

LINK-OILのメーカーのリンクアドバンス株式会社のトップページにもりーさんが!!
もちろん趣味でバイクに乗っているライダーでも結果を出していたり有名になればサポートやスポンサーがつくことはありますが、もりーさんよりもうまい選手はまだまだ沢山います。
ではなぜ、もりーさんにサポートがついたのでしょうか?その辺りを詳しくインタビューしてきます。
オイルメーカーのサポートがついた話を詳しく
ーー一般人だったもりーさんがどうやってオイルサポートを受ける経緯になったのかを教えてください!
もりー:埼玉県にあるNAGmotors(ナグモータース)というオフロードショップでお世話になっているのですが、おすすめオイルがリンクオイルだったんです。今までYZ250FXに使っていたヤマハ純正オイルよりもリンクオイルの方が安かったのでペール缶で買うことにしたんです。リンクオイルの代理店であるABIT-TOOLS(エイビット・ツールズ)さんにペール缶を注文しに行ったところ、「リンクオイルのサポートを受けないか」と話がきて、トントン拍子でリンクオイル提供していただくことになりました。
ーーてっきり、もりーさんから企画書を送ったのかと思っていました!
もりー:こちらからは一切営業かけてないです笑 なので最初は驚きましたね。「他に速い選手はいるのに自分でいいの?」と
ーー具体的にはどんな契約内容だったんですか?
もりー:契約内容は「リンクオイルを無償提供するので使ってみたインプレを宣伝してほしい。良いところはもちろんだが悪いところもしっかり書いてほしい」ということだけ。一般的にはサポートを受ける場合、体裁が整ったレポート提出が必須だったりと細かい取り決めがあるらしいので、今回の件はかなりゆるいです。
ーー悪いところもしっかりインプレ、というのはすごくわかります!
もりー:逆に言えばこういう内容だからこそ受けた、というのもあります。趣味で楽しくやっているので気遣い、ノルマや要求が多いと本末転倒ですしね
なぜ、もりーさんにサポートがついたのか
ーーぶっちゃけ、エイビットさんとはもともと仲が良かったのですか?
もりー:いいえ。客としてエイビット・ツールズさんのお店に入ったのはペール缶を買いに行ったのが初めてでした。ただエイビット・ツールズはナグモータースの隣(というか同じ敷地内)にあるんです。SNSでも繋がっている訳ではなかったので、ナグモータースさん経由で何か自分の話が伝わっていたのかもしれません
ーー顔なじみって訳ではなかったんですね。どこで接点が?
もりー:初めてエイビットさんとお話したのが、2018年JNCC最終戦のレースでした。エイビットさんがブース出店しておりそこでオイルについて相談し、「今度リンクオイルをペール缶で買いに行きます」という話をしたんです。でその時のComp-Rのレースで優勝できたんです。そして後日エイビットさんのところに行ったら・・・って感じでした

ABIT-TOOLSのブース
ーーエイビットさんがオイルサポート選手を探しているのも知らなかったんですね笑
もりー:全く知らなかったです。実はリンクオイルの二輪部門のサポート選定全般はエイビットさんが裁量を持っていることも最近知りました
ーー結果を現地でアピールしたのは大きいですね!ズバリ、なんでもりーさんが選ばれたと思いますか?
もりー:エイビットさんからの聞いた話ですが、「最近はプロや速い選手が宣伝してもあんまり効果がない場合がある」と感じているんだそうです。あと言い方は悪いですが速い選手が各メーカーに「無償提供してくれ」というクレクレ連絡も結構あるらしく、”速い選手だから無条件に提供”というのはエイビットさんとしてはあまり乗り気ではなかったみたいです。宣伝効果があるか疑問な速い選手よりも、SNSで宣伝したり頑張っているライダーの方が個人的に応援したいし効果があると感じているのかもしれませんね
ーーそれすごくわかります。速い選手が宣伝しても「それ別のマシン/パーツでも同じ結果だせるんじゃ?」って思うことが多いです
もりー:今の時代、ただ速い人よりも”Web上での発信力がある身近なライダーの率直な感想“の方が効果的だし求められているのかもしれないですね。メーカーのサポートを受けることに興味がある人はレースの結果はもちろんですがWeb上での活動内容や発信内容を伝えた方がいいと思います
サポートがついて感じたことを聞いてみた
あくまで趣味のライダーでサポートがつくのは珍しい経験です。実際どんな感じなのかをもう少し聞いてみましょう。
ーーサポートがついたことで感じるデメリットってありましたか?
もりー:繰り返しになりますが、趣味でオフロードバイクに乗っています。なので、サポートがついたことでやりたいことが出来なったり、オイルが微妙だったり、あと時間を必要以上に奪われるようなら契約破棄も考えてました。ラッキーな事にそんなことは全然無く、負担に感じることはないですね
ーーサポートがつくとレースのプレッシャー・重圧が辛くないですか?
もりー:もちろん多少プレッシャーに感じる部分はあります。エイビットさんからは「初年だし成績は気にしないけど、できれば一回くらい入賞してくれたら嬉しい」と言われたくらい。まぁ、先週のレース(JNCC鈴蘭 Comp-B)では2位で表彰台に立つことが出来たので一安心です。逆にいい意味でプレッシャーになっているので成長にも繋がっていると感じてます
リンクオイル
ーーサポートを受けているライダーということで、せっかくなので商品のインプレも軽く教えてください!
もりー:わかりやすいメリットとしては、リンクオイルは比較的安価であることです。リンクオイルのセカンドグレードである”Power SP(パワーエスピー)15W45″のフィーリングがヤマハのエンジンオイルであるRS4GP(10w-40)と似てると感じました。値段(定価)を比べるとリンクオイルの方が安いので、RS4GPを普段使ってて高いなぁと思ってる人は試しにリンクオイルのパワーSPを試してみるのはありかなと。

LINK-OIL POWER SP
ーーレースで使ってるのもパワーSP?
もりー:いえ。オイル提供があるので最上位グレードの「Torque(トルク) 15W50」を使ってます。

LINK-OIL Torque
ーーTorqueとPower SPの違いは実感できるの?
もりー:パワーSPとの違いは一般ライダーでも十分わかるはず。YZ250FXはクラッチのキレが悪くなりがちなのですがTorqueは熱が入るとクラッチがしっかり切れる。これが一番わかりやすいところですね。もう一つがレブを当てた時。普通はレブ当てているとパワーが頭打ちになるのですが、Torqueはそこからさらに伸びる感覚があるんです。エンジンが良く吹けるというか・・・誰が乗ってもこの二つは感じると思いますよ。あと15w-50って書いてるけどそこまで固く感じないので使いやすいですね
もりーさんの今後のオフロードの関わり方は?
ーー現在クロスカントリー・オンタイムエンデューロ・ハードエンデューロとどれも楽しんでいますが、サポートがついたことで結果が出るようレースジャンルを絞ったりは考えていますか?
もりー:いえ。今年はJNCCとJEC東日本戦は極力全て出るつもりですがハードエンデューロもスポットですが引き続き出る予定です
ーーレース出過ぎ!交通費もサポートして欲しいですねw
もりー:流石にキツイのでショップ(ナグモータース)のレースサポートを利用してます。皆で一緒にレース会場へ向かうことで交通費や運転の負担を圧縮出来ますし、現地でメカニックサポートを受けることも出来ます。何より、現地でわいわいできるので楽しいです。あと、エンデューロはどれか一つのジャンルを練習するよりも、全部練習した方がトータルで成績が上がると思ってますので今年はそんな感じで行きます。
まとめ
趣味でエンデューロを楽しんでいたらエンジンオイルメーカーサポートがついた もりーさんにインタビューしました。

文中でも書いていますが、最近はプロでなく一般人でもSNS各種Webサービスで発信力をつけることができる時代です。本人のキャラクターや活動内容によっては商品の相性があると思いますが、今回のもりーさんは趣味とはいえ真剣に活動して結果も出して急成長しているその姿勢が評価された、というか応援したい!と思わせたのかもしれませんね。
個人にメーカーサポートがつく流れは今後も増えるかもしれません!!!
名前:もりー
Twitter:もりー
活動内容:エンジンオイルサポートを獲得しつつ趣味でエンデューロレースに参戦している
LINK-OIL二輪担当:ABIT-TOOLS
おすすめバイクショップ:NAGmotors
リンクオイル:LINK-OIL Power SP(パワーエスピー) 15W45、LINK-OIL Torque(トルク) 15W50