サインハウスのB+COM(ビーコム)を知らない人はいないと思います。
バイク運転中も他のライダーと通話することができるインカム。
そんなビーコムのフラッグシップモデルである B+COM SB6X を1000kmを超えるツーリングイベントであるSSTRで使い倒してきましたのでレビュー記事を書きます。
なお、SSTR参戦の記事は以下
目次
B+COM SB6Xの特徴は?
僕は過去にB+COM SB4X Liteという「インカムの最低限の機能」がついたモデルを愛用していました。
このSB4X lite自体は現在でも発売されており、安定して使うことができるインカムです。
一方、SB6Xはフラッグシップの名前に恥じない「色々な機能」が付いています。
音楽を聴きながら会話ができたり、自分が聞いている音楽やナビの音声をグループにシェアしたり・・・
が、一番の目玉は「B+Link(ビーリンク)」です。
B+Linkとは?
B+Linkとは「他のビーコムとの接続がめちゃめちゃ簡単」な接続方法。
僕もSB4X Liteを使っていた時はとにかくペアリングが辛かったのですが、このB+Linkがあれば初回でも2回のボタン操作。その後は1回のボタン操作で6人と通話できちゃうのです!
https://www.youtube.com/watch?v=doiviH1rj9E
ところで、冒頭0:15の「ビーコム、起動」という音声がテレビアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』のドミネーターの音声(声優:日高のり子)に似てると思ったのは僕だけではないはず!!なお中の人に聞いたところ、このビーコムの音声は合成音声なんだそうです。カーナビみたいに好きな声優のVoiceに変更できたらry(オタク特有の早口)
ビーコムで一発目のペアリング
バイクレ!!としてSSTR2019へ行くことに。
SSTRは朝からタイトなスケジュールで動く為、事前にビーコムをペアリングする為に、都内某所へ集まりました。
まずはそれぞれがビーコムを自分のスマホへ接続。
「ボタンを押しながら上に4秒長押し」すると点滅するのであとはiPhoneでBluetooth接続するだけ。
これは一度やればよいので覚える必要はないです。スーパーイージー。
スマホとの接続は他のBluetooth機器と同じ。簡単ですね。
B+Link(ビーリンク)もめちゃめちゃ簡単だった
接続方法は、「全員で上下のボタンを長押し。誰か一人が上下ボタンをもう一度ポチッ。少し待つ」だけ。数珠繋ぎとか順番とか上とか下とかやらなくていいんです。
一発目はマニュアル見ないとダメですが一回ペアリングできればあとは簡単。
電源を入れて上下のボタンをポチッとすれば勝手に他のB+Linkに接続できます。スーパーイージー。
前のモデルでは数珠つなぎで一人ずつペアリングして・・みたいなつらい作業だったのでこれは本当にうれしい。
スピーカの差し込みはちょっと注意!
3人それぞれ進めていましたが、秀吉だけスピーカーから音声が聞こえないとのこと。
初期不良?!
色々チェックした結果初期不良ではなく、スピーカーケーブルのUSB Type-C端子の差しが甘かっただけでした。
後から気が付いたのですが取扱説明書にも「しっかり差し込んでください」という注意書きが。
ここはハマりどころかも。
3人とも初めてSB6Xを触ったわけですが上記以外は特に困ることもなく、ペアリングまで10分ほどで完了。これなら当日集まってからでもよゆーですわ。
B+com SB6Xをツーリングで使ってみた
ということでツーリングで使ってみました!
往復1000km超えの二日間の長旅です。
バッテリの持ちがかなり良い
一番最初のコメントがバッテリでいいのか?って思いますがそのくらい感動した。ビーコムはバッテリの持ちがかなりよかったです。
どのくらいバッテリ持ちが良いかというと、SSTRで02:30ごろから20:00まで18時間程使ったにもかかわらずバッテリ残量は「50%以上」だったってくらい持ちがよいです。しかもそんなにこまめに電源オフにはしてなかったしスマホとの接続もしていました。
今回は宿でフル充電したので試していないですが、多分一泊二日のツーリングなら節電しつつ行けば充電不要だと思う。そのくらいバッテリの減りは少なかった。
あとビーコムの嬉しいところとして接続時にバッテリ残量を教えてくれるところ。
「バッテリ残量は○○%以上です」的な。
バッテリが持つのは当たり前ですが、個人的には期待以上でした。
時速100kmでも聞き取れる
今回僕はオフロード、というかクラシック系メットで参加しました。
完全に見た目重視。
ゴーグルこそしていますが、空気がありとあらゆるところに入ってくるので風切り音も結構あります。正直高速道路ではインカムの音は聞こえないかな?と思っていました。それこそ、2年前に購入したSB4X Liteでは時速80kmくらいからでも声が聞き取れないくらいでした。
が、SB6Xでは時速100kmくらいまでなら会話が聞こえました。
なんだろう、音量が大きいことよりも、音がクリアなので音声が聞き取りやすい感じ。またマイクも優秀で風切り音が入ることもなくSB4X Liteと比べても格段に進化を感じる部分でした。そいえばボツボツと途切れるような音もほぼ感じなかったです。
バッテリに音量にって、なんだか地味な内容ばかりですがこういう当たり前の部分がいい感じなのって本当嬉しいと思うのは僕だけじゃないはず。
B+Linkの自動復帰機能がめちゃめちゃよかった
SB6Xの大きな目玉であるB+Link(ビーリンク)の機能の一つである「自動復帰機能」が高速道路ではかなり嬉しい機能でした。
高速を走行中の出来事・・・
秀吉「あ~大声で喋りしすぎて喉乾いたので僕だけ次のPAで飲み物飲んできます。先行っててください~」
僕&mikoさん「了解!」
秀吉はPAにピットイン。その後しばらくすると秀吉だけがB+linkを外れます。ここからはmikoさんと二人での会話。あーでもないこーでもないと喋りながらまったり走っていると後ろから秀吉が合流。
すると・・・
B+com「ビーリンク、開始」
秀吉「追いつきました!」
秀吉がインカム圏内に入ると”自動で“B+Linkに復帰したのです。
今までは一旦誰かが外れると「次のSAで止まって、全員一回電源切って再度順番につなぎ直して・・・」とかやらないといけなかったのに、高速走行中のような止まれないシチュエーションだと自動復帰はかなり嬉しい機能でした。
SENAとの違いは?
僕はビーコムしか使ったことがないのですが、一緒に使った秀吉とmikoさんは普段別メーカーであるSENAのインカムを使っています。
ということでSENAとビーコムの違いについてぶっちゃけどうなのか聞いてみました!!
ーーSENAと比べてビーコムの良かったことは?
miko:SENA 20Sと30Kを使ってますが、ビーコムのコンパクトなデザインとヘルメットへの取付し易さはSENAより良かった。
秀吉:SENA 30Kを使ってます。起動時のナレーションがアニメテイストで良かったです。なんとなくオタク心をくすぐると言うか。バイク乗りであぁいうの嫌いな人は少ないと思います(笑)
デザインも他メーカーと比べるとビーコムが一番好きですね。スタイリッシュでカッコいいです。さらに、プレートを変えて個性出せるのもいいですね。僕も前機種のSB5Xを使ってる時は変えてました。
それから、インカムを外した時にベースごと外れるのも嬉しいポイントです。セナはインカムを外すとマウント部分が残るんですが、ビーコムはマウントをクリップで挟み込んだりマジックテープで固定する事ができるので、スピーカー部分だけ買い足して複数ヘルメットにつけておけばヘルメットが複数あってもインカムの移動が楽なんですよ。実際僕はフルフェイスとオフロードヘルメットでそうやって使ってました。セナは工具を使ってベースごと移設しなきゃいけないのでめんどくさいし、そもそもそこまでしてやろうとも思わないです。
インカムを外した時にベースごと外れるのがいい。セナはインカムを外すとマウント部分が残る。クリップで挟み込んだりマジックテープで固定できるので、スピーカー部分だけ買い足して複数ヘルメットにつけておけばヘルメットが複数あってもインカムの移動が楽。セナは工具を使ってベースごと移設しなきゃいけないのでめんどくさいし、やろうとも思わない
ーーSENAと比べて気になったことは?
miko:音量はもう少し大きく出来るといいかも。接続、再接続はやりやすかったけど、SENAみたいにボタン1つ押すだけのほうがいいかなー。慣れてないのもあって上下のボタンの位置がわかりずらかった。
秀吉:特にないですね。
後述しますが、セナもビーコムも不満点は同じで最初に接続するときの操作が複雑な事です。前機種のSB5Xで不満だった音量の小ささも解消されてたのでビーコム特有の不満は無くなりました。
ーー誤操作からのリダイアルが怖かった!僕だけ?
miko:電話のリダイヤルは確かに焦ったw SENAは操作間違えたら即リダイヤルになる訳じゃないから長所でもあり短所でもあるかも。
・SENA:インカム以外の操作は少し複雑。その分ミスって慌てることない。
・ビーコム:全部の操作が簡単。その分ミスった時に焦る。
って感じ
秀吉:再接続する時の操作と、スマートフォンに接続時のリダイヤル操作が似ていて誤爆しやすいのでボタン操作を変えて欲しいかなと思います。現に3人とも再接続する際に操作ミスでスマホでリダイヤルして焦っています(笑) とは言え慣れの問題もあると思いますけどね。
ーー改善してほしいことは?
miko:今回試してないですが、他社製インカムとの接続のし易さ。ぼくのインカム選びは信頼性と価格と周りがどのインカム使ってるかで決まるから他社製品との接続のし易さが良くなれば買い替えしてもいいと考えます!
秀吉:これはセナにも言えることだけど、相変わらずどうにも最初の接続がしにくいなと感じます。一度接続してしまえば簡単だし、説明書を見てやればかなり簡単にはなりましたが初めての人とペアリングの初期設定をする時は説明書がないと絶対出来ないですね。
技術的な事はわからないけどアプリとかでチャットルームに入るような感覚で使えたらもっと簡単になると思うし、そもそも一番よく使う機能なのでペアリングボタンとかあればいいのにって思います。
難しいと思うけど他メーカ同士の接続ももっと簡単になればいいなと思います。
ぼっちバイカー:実はビーコムはiOSでビーコムアプリを絶賛開発中らしい。追加機能というよりは接続状況が可視化できる感じらしいので期待できそう。
二人の感想からもわかる通りビーコムもセナも品質はいい感じだし大きな欠陥や不満もない。強いて言うなら他社製品との接続が強化されて欲しい。これですね。「どんなインカムともそこそこ接続できる」みたいなインカムこそ今ユーザーが求めているもの、な気がします。
ビーコムSB4X LiteとSB6Xではどっちを買えば?
ビーコムSB6XはB+Linkがとにかく便利なのでおすすめしたいですが必ずしもお勧めではないかなと感じました!
結論から書くと、
・3人以上でこれからインカムを検討するなら絶対にSB6Xを買ったほうがいい!
・2人だけならSB4Xで十分
という感じ。
SB6Xは色々な機能があります。何よりもB+Linkは便利だしノーストレスなので3人以上で使うなら声を大にしてお勧めしたいです。いわゆる、快適すぎて戻れないやつ。逆に二人だけで通話する用途ならSB4Xで十分です。ただ、知り合いがSB6Xなら今後を考えてSB6X買った方が今後バイク仲間ができたときに安心かも。誰と繋ぐのかで考えてみましょ!
まとめ
サインハウスさんからB+COM(ビーコム)をお借りし、2日で1000km以上、30時間ほど使い倒してきました!
国産以外でもインカムはいろいろありますし、価格帯としてはビーコムは高い部類の商品です。金額は高いですがその分「継続利用可能時間」「音質・音量」「ノイズキャンセル」「デザイン」など、ライダーが実際に使って改善されてきた使いやすさがありました。
あとは、フラッグシップモデルであるB+COM SB6Xの「B+Link(ビーリンク)」がかなり使い勝手がよかったので、マスツーでしっかり会話を楽しみたいならSB6Xはあり。
正直インカムとしての完成度はかなり高いので、メーカーの垣根を超えるサポートが手厚くなったら嬉しい・・・というのは欲張りすぎでしょうか?笑