スロットルを奥に回すと減速!?最新電動バイクVX-1のブレーキシステムがマジですごかった件【回生ブレーキ】

こんにちは。秀吉です。

電動バイクというものの存在は皆さんもうご存知の事と思います。
まだまだ数は少ないのですが、そんな電動バイク界の中にadivaというイタリアのメーカーのVX-1という電動スクーターがあります。

adiva VX-1

タイトルにも書いた通り、このVX-1に搭載されているブレーキシステムに感動したのでブレーキの事だけで一記事書く事にしました。

回生ブレーキ?

本題に入る前に、電気の力で動く乗り物を語る上でこの回生ブレーキという単語だけは避けて通れないので簡単に解説します。
回生ブレーキとは、超簡単に言うと「モーターを逆回転させて発電機として作動させて、その発電時の抵抗力を制動力として利用するもの」です。

電動バイクの他、電気自動車、電動アシスト自転車などにも使われている技術です。

逆にスロットルを回すとブレーキがかかる!?

さて、前置きはこのくらいにして、まずはこの画像を見て欲しい。

緑の矢印に書いてあるのはaccelerate(アクセラレート)で、加速の意味。緑の矢印の向きにスロットルを捻ればマシンが加速していきます。バイクなら普通ですね。
で、赤の矢印に書いてあるのが・・regenerative braking(リジェネレイティブブレーキング)で、これが今書いた「回生ブレーキ」の意味です。赤の矢印の向き、つまりVX-1は奥にもスロットルが回せるようになっていて、これで自由に回生ブレーキを使う事が出来るのです。

VX-1は回生ブレーキの強さを自由に決められる

回生ブレーキ自体は他社の電動バイクにもあるし、車・・プリウスなどでもそうなのですが、例えばアクセルやスロットルを戻せば自動で回生ブレーキがかかるようになっています。
エンジンブレーキの疑似的な再現にもなっていますね。

VX-1の場合はスロットルを戻す強さを変える事で回生ブレーキの効きも任意で変えられるんです。これがほんとにすごかった。

グッと一気に奥に回せば、前輪ブレーキを強くかけた時のように強くかかるし、じんわりと奥に回してやれば、後輪ブレーキだけかけているようにじんわりとかかります。最初慣れるまではスロットルを奥に回すというはじめての動作に慣れなかったこともありぎこちなかったのですが、数分も乗っているとすぐに慣れて、通常のブレーキのように使いこなせるようになりました。

最初はじんわりと奥に回してスロットルを戻す強さを徐々に強めていけば、体が暴れる事もなく、通常のブレーキを使うのと変わらない制動距離で停まる事が出来ました。ちなみにいきなりマックスで回生ブレーキをかけてもロックしたり車体から放り出されるような危険な効き方はしないので安心。

※スロットルをニュートラルに戻した状態でも若干回生ブレーキは効いているそうです。

もちろん普通のディスクブレーキもついている

もちろん前後に通常のディスクブレーキもついています。VX-1の場合はどちらのレバーを握っても前後連動しかしないので慣れないと少し違和感があるかも。

なお、見ての通りVX-1のブレーキはなんとブレンボ製。

前述の回生ブレーキを使って減速し、停車する寸前だけちょっと握ってやれば完璧。ほとんどディスクブレーキは摩耗しないのでは・・と思いました。
ちなみにバイクが完全に停車したあともスロットルを奥に回したままだと逆回転がかかったままになるため、バイクがバックしていきます。また別記事で触れますが、想像しているよりもかなりの勢いでバックするので停車する前には余裕をもってディスクブレーキで停車する方が安全だと感じました。

逆スロットルは今後主流になって欲しいと思う

今回、この逆にスロットルを回すことでブレーキをかけるという技術に触れてみて本当に感動しました。

手前に回せば加速して、奥に回せば減速する・・

よくよく考えてみれば、なぜ今までなかったのかと思うくらい実にシンプルで分かりやすいなあと感じました。
ワイヤー式のスロットルだと難しいと思いますが、電動バイクではなくともスロットルバイワイヤなどを採用している車種ならコンピューター制御で逆スロットルでブレーキをかける事も可能なのでは・・と期待してしまいますね。
個人的な意見を言えば、今後主流になって欲しいとすら感じています。

ちなみに・・別記事で詳しく書きますが、停車状態で逆にスロットルを回すとバイクがバックしていきます。勢いよく逆に回すと普通にコケそうになるので注意。

まとめ


というわけで、正直乗ってみないと分からない部分が多いと思いますが今回は回生ブレーキについて語ってみました。
回生ブレーキ自体はすでに実用化されている技術ですが、自分で効きを変えられる回生ブレーキというのは新しいかなと思います。うまく使えば疑似的なエンジンブレーキが再現できるので、逆にシフトアップしているような感覚も再現できるかも知れない。
まだまだバイク業界では発展途上の技術な気がするので、今後が非常に楽しみですね。

それではまた。