こんにちは。ぼっちバイカーです。
YAMAHA SEROW250についてTwitterの ぺーちゃん(@yakisoba_rider) さんにインタビューしました。ここではPさんと呼ばせていただきます。(なおPさんは現在、セローからハスクバーナ FE250に乗り換えられています)

Pさんとセロー250
今回は他のバイクに乗ってから改めてわかったセロー250のインプレをお届け。
目次
SEROW250ってどんなバイク?
ヤマハ セロー250は過去にも以下記事でインプレを書きました。
・【1年で2万km】セロー250に乗ってわかった3つのメリット・デメリット
「セローはなんでもできる」というキャッチコピーがあるほど、セロー250は入門者から上級者まで楽しむことができるバイク。

Pさんはセローをオフロードメインで乗っていたので、「オフロードバイクとしてのセロー」にフォーカスしたインプレです。
オフロードバイクとしてのセローは、「足つきが良い(シート高830mm)」「現行トレールではダントツの豊かな低速トルク」「比較的軽い車重(133kg)」「フレンドリーで怖くない」が大きな特徴です。実際、林道ツーリング「定番のオフ車」と言っても過言ではないですし、トレールバイクも走れるレースではよく見かけるほど、オフ性能が高いバイクです。
バイク歴
Pさんのバイク歴は以下。
Honda CBR250R → YAMAHA XJ6 Diversion → Kawasaki KLX125 → YAMAHA SEROW250 → Husqvarna FE250 ・ Montesa 4ride(現在)
バイク暦は6年でオンロードから始まり、オフロードは3年目。現在はオフにドップリのようです。
セローを選んだ理由
Pさんはもともと、ディバージョンでバイクツーリングを楽しんでおり、セカンドバイクとしてKLX125を購入。オフロードにチャレンジしてみると楽しく、一緒に山で遊ぶ知り合いも増え、そこで知り合いが乗ってたフルサイズ(ホイールが前21,後18インチ)であるセロー250の”オフ性能の高さ”を感じたそう。

KLX125時代のPさん
その後、セローについて調べて「セローならオンロードもオフロードもいける」ということがわかり、あまり乗らなくなっていたディヴァージョンを売却。新中古の2010年式セロー250を購入されました。

オフロードとは無縁の綺麗なセロー250
走っていて一番楽しいと感じたシチュエーションは?
Pさんによると、山やコースでオフロード走行したりツーリングしたり・・・何よりも仲間と一緒にバイクで遊んでいる時が一番思い出に残っている。とのことでした。

仲間と一緒にオフロード!

これは北海道ですね!

オフロード仲間とワイワイ!!
セローについて思い返すのはツーリング先や風景ではなく、「誰とどう過ごしたか」というあたりで、Pさんの人となりが伝わってきます。
SEROW250を買ってよかった3つのポイント
早速Pさんがセローに乗っていいと感じたところを3つ聞いていきたいと思います。
1: セローはとにかく頑丈!
バイクの「頑丈」には二種類あります。
1つ目は機械的な頑丈さ。言い換えればメンテナンスサイクル。1万キロ走ってもメンテ不要なエンジンは一般的には”頑丈”と言われます。
2つ目は物理的な頑丈さ。オフロードバイクでは転ぶこと前提なので多少転んだくらいで走れなくなるようだと困ります。
そしてPさんからするとセローは、1も2も…つまり「機械的にも物理的にも頑丈」なんだとか。
セローはメンテナンスサイクルが長い
メンテナンスサイクルが非常に長く、定期的に行うのはエンジンオイルとフィルター交換だけ。あとは1万キロでプラグ交換やエアフィルター交換を、2万キロでタペット音がうるさくなってきたのでタペット調整したくらい。とにかく信頼できるし不測のトラブルは皆無。二万キロの時点でクラッチ板交換をしたそうですがまだまだ使えるくらい綺麗だったそうです。

セローでロングツーリングもたくさんしたそう
ロングツーリングはメンテナンスサイクルが一気に進むので気にされる方も多いですが、セローはそういった心配もなく走りにいくことができます。
セルモーターが熱で溶ける
これは「オフロードで頻繁にセルを使う場合」に起きるようですが、セルモーターを酷使しすぎるとモーターの軸受け部分が熱を持ち、焼付くことでセルを回す時に異音が出てエンジンがかからない状態だった。
これによってエンジンがかからなくなるそうで、これはオフで使っているとだいたいみんな経験する系のトラブルのようです。
セローは物理的にも頑丈
そして物理的な頑丈さもすごい。
Pさんはたくさんセローを”シバいた“ようですが物理的ダメージでのトラブルは一切なかったんだとか。

Oh…

こんなのや。。。

こんな遊びも!
Pさんはセローでオフロードを走り、転んだりひっくり返ったり飛ばしたりしたそう。それでも全く破損したり故障することがなかったそうです。セローは空冷なのでラジエーターもないですし、構造はシンプルなほど壊れにくい、というわけですね。

物理的な頑丈なセローのエンジン
吹っ飛ばしても何も起こらないのでオフロードするにはうってつけ。
2: 燃費がいい!
北海道でひたすらまっすぐな道で最大44.2km/Lを記録したそうです。

また街乗りでも普段使いでも、オフロードでも30前後km/L。最低燃費が26.8km/Lだったそう。ガソリンタンクが約9Lなので250kmは余裕で走れますね。これはアフリカツイン並なのです。
3: メンテナンス性がいい!(情報の多さも)
セローの一番のメリットというか強みが「オーナー数が多いこと」です。

セローのメンテナンス情報はネットに山のようにある
オーナーが多いので困った時はググれば確実に情報があるんだとか。整備マニュアルは最後まで購入せずにネットのみの情報だけで作業してきたそうです。
その整備の中にはエンジンのタペット調整やサスペンションのOH(オーバーホール)、クラッチ板の交換、セルモーターのOHや交換など、バイク屋さんに預けるレベルの整備も出来ちゃうくらい丁寧で解りやすい情報がたくさんあるようです。
これは本当に大きなメリットですね!不具合なども持病として情報共有されているので対策や対処も出来て助かっているとのことでした。
まとめると・・・
- とにかく頑丈!
- 燃費がいい!
- メンテナンス性がいい!(情報の多さも)
SEROW250で不満な3つのポイント
では逆に、セローのデメリットというか欠点は何でしょうか?
1: セローは重い…
一番の欠点は”重さ”だそう。

セローは重いのか
Pさんは体力がある方ではないようで、軽いと呼ばれるセローですら引き起こしを何度もやっているとかなり重く感じるんだそう。(セローの車重は133kg)
平坦な場所なら大したことないですが、山の中の斜面で倒したりすると引き起こすだけでも相当きつく、気軽にトライする気になかなかなれないんだとか。
PさんはセローからハスクバーナのFE250(乾燥重量105.8kg)へ乗り換え、「セローは起こし始めの瞬間が重い」とあと、知り合いのWR250Rを引き起こしたことがあるそうで、WRよりはセローの方が重心的に軽いと感じたそうです。
2: シフトペダルは欠陥品
セローのシフトペダルはオンロードでよく使われる「リンク式」ペダルです。リンク式ペダルは高さの調節範囲が狭く、さらにセローのフットペダルの位置が低い。そのためオフロード走行では深いワダチや岩を走る際に引っかかり、曲がったり折れてしまうんだとか。
Pさんは「欠陥品レベルですよ・・・」と嘆いていました。(3-4本は予備パーツを買ったそう)
フットペダルの位置を変えるのは難しく、また社外品でもそのようなパーツは出ていない為、こればっかりは泣き所だと話していました。
3: ギアが5速までしかない
Pさんは北海道へもセローで行ったことがあるそうですが、「北海道ならセローよりディバージョンの方が快適だったかも」と話していました。

北海道のまっすぐな道
北海道の平均時速は本州よりも速い。そのため、車の流れに乗って走る場合、セローだと5速しかないこともあって「エンジンがうるさい」くらいアクセルを開けなといけない。これはあまり快適とは言えなかったようです。
高速道路も同じ。「6速まであればもうちょっと楽なんだけど・・・」とPさんは話していました。
もともとセローは低速域が重視されているので高速域は得意なマシンではない、ということもあるようです。高速などではやはり、WR250Rの方が快適なんだそう。
ただ2次減速を「リアスプロケットを一丁下げ」するとセロー特有のトルク感を残しつつも最高速度が伸びていい感じにツーリング向きになります。逆にこれ以上ロングにすると荷物を詰んだ状態などでトルクが薄くなってエンストしやすくなる可能性もあるので「1T下げ」がちょうど良いそうです。
まとめると・・・
- セローは重い…
- シフトペダルは欠陥品
- ギアが5速までしかない
セローのデメリットはメリットなのか?
「良い事と悪い事は表裏一体」と言いますが、セローもまさにそう。
いい点は「オフロードもオンロードもキャンプツーリングも街乗りもタンデムも長距離もなんでもできる。そして比較的安価」ということですが、悪い点は「なんでもできるが故に、それぞれの分野では一番になりにくい」という事。つまり何かに特化しているというよりは器用貧乏なバイクとも言えるわけ。
セロー250は「何でもそつなくこなせる」というパラメーター全振りではなくバランス型のマシンなんですね。
・・・Pさんとはそんな話をしました。
SEROW250におすすめな3つのカスタム
最後にセローのオススメカスタムについて聞いていきます。
1:SP忠男 パワーボックス
セロー定番のSP忠男 パワーボックスですね。エキパイ部分のパワーボックスで十分なんだそう。

SP忠男のパワーボックス
なお、Pさんは購入時から取り付けされていたので、違いについてはノーコメント。ただみんなつけていてみんないいというので間違いなくいいと思います。との事でした。
定番といえば、リアタイヤはIRC社のTR-011 TOURIST(通称”ツーリスト”)で間違いないとのことです。唯一苦手なマディ路面はシリコンスプレーを事前に吹いておくと、排泥性が上がるのでもうツーリスト一択のようです。

IRC TRAIL WINNER TR-011 TOURIST 【4.00-18 64P TL】
2:DRC ワイドフットペグ
ワイドフットペグはオフロードをやる人にオススメなんだそう。
極端な話をすると、「鉄棒の上に足を置くか板の上に足を置く場合どちらがバランスを保てるか」ということ。ワイドになることでより細かいバランス取りや力を入れることができるようになるそうです。

セローでオフロードをやる人にはやっぱり定番というかオススメのカスタムで、調べると取り付けている人の多さに驚きます。
3:DRC フロントフォークスプリング
これは少し整備レベルが上がりますが、フロントフォークのサスペンション内部のスプリングをこのDRCのものに交換するカスタム。
DRCのサスペンションは、”純正よりも硬め“何だそう。
「硬めだとフレンドリーだったセローの乗り心地がバタバタと忙しくて乗りづらいものに変わるのでは?」
と僕なんかは思ってしまうのですが、Pさんによると「セローの自重のおかげでそこまで初期の動きが激しくなることはない」のだそう。それよりもサスを縮めた時のバネの力が使いやすくなるので、フロントアップやステア越えもバネの力を利用することでやりやすくなるんだとか。
それ以外にもモトクロスコースのカーブでスピードが乗ってサスが縮んだまま地面の凹凸を吸収してくれるようになったり、サスが底付きしないよう踏ん張るので負荷がかかる下り斜面での安心感が増します。
Pさんは長い間純正スプリングだったようで、「もっと早くスプリング交換しておけばよかった」と話していました。
この作業手順もネットに情報があるのでそこまで難易度が高いわけではないそう。
さらにホームセンターの塩ビ管を使うことで安価に作業可能。サスペンションOHついでにやるのが良さそうですね。一応キャップを開けてワッシャーなどを取り出せばスプリング交換だけもできるようですが油面調整は必要ですしだったらOHをやってしまうのもアリ。とPさんは話していました。
情報が多いというのは本当に強いですね。
まとめると・・・
- SP忠男 パワーボックス
- DRC ワイドフットペグ
- DRC フロントフォークスプリング
次に乗り換えるなら?
すでに乗り換えてしまって、Husqvarna FE250に転向しています!

Pさんは右。かっこいい…!
やはり「青と白」は変わらないのですね!!
まとめ
まとめると・・・
バイク情報 | YAMAHA SEROW250 2010年式 青白 |
走行距離 | 約20,000km |
良いところ |
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気になるところ |
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おすすめカスタム3つ |
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インタビューした人

- 名前:ぺーちゃん
- 愛車:Husqvarna FE250・Montesa 4ride
- バイク歴:6年
- アカウント:Follow @yakisoba_rider
- 最後に一言:
P「騙されたと思ってなんでもやってみてください」
ぼっちバイカーのヒトコト
ぼっちバイカー
セローはオーナーによって違う乗り物なのではないだろうか