こんにちは。ぼっちバイカーです。
カワサキのスモールアドベンチャーことVersys-X 250(ヴェルシスX250)に1年以上乗られたアルート(@CUB_to_ESTRELLA)さんにインタビューしてきました。
まだ発売されてから2年経っていないので長期インプレッションは多くないはず。どんなバイクなのかをインタビューします!
目次
日本では大排気量アドベンチャーは流行らない?
インタビュー内容の前に、最初に日本でのアドベンチャーバイクについて。
アドベンチャーバイクはヨーロッパで国を横断・縦断して旅する用途として人気のジャンルですが、日本では150km走ればほぼ確実にガソリンスタンドがあるし未舗装路を走らないと目的地にたどり着かないということもまずありません。
それよりも大排気量による渋滞中のエンジン熱、大きいバイクによる駐輪場等でのバイクの取り回しの悪さ・重さ、全体的に高価格という点からアドベンチャーバイクは「バイクで日本一周する人が選ぶバイク」ではなく「アドベンチャースタイルが好きな人が選ぶバイク」という印象があります。
Versys-X 250はどんなバイク?
Versys-X 250はカワサキの水冷並列2気筒に250ccエンジンを積んだアドベンチャーバイクです。
ヴェルシスシリーズのコンセプトに「Any-Road Any-Time」があり、その中でもこの250は”未舗装路での走破性を加え、刺激的な「走る悦び」を提供”するバイクとして公式ページで謳われています。
パッケージとしては「VERSYS-X 250(無印)」と「VERSYS-X 250 TOURER(ツアラー)」があり、ツアラーは5.5万円ほどお高い代わりに以下が標準装備されています。
- パニアケース
- エンジンガード
- ハンドガード
- DCソケット
- センタースタンド
かなりお得ですね。アドベンチャーバイクなので”ロングツーリングしたいならツアラーモデル”で間違いなさそうです。
アルートさんのヴェルシスを紹介
VERSYS-X 250を購入されたアルートさんですが購入したのはツアラーモデルではなくスタンダードモデルでした。
以前はカワサキのエストレアというクラシックバイクに乗っており、「もっと快適にロングツーリングしたい!」と思うようになりVERSYS-X 250を選んだんだとか。
元々はローアンドロングな「バルカンS」を検討していたそうですが丁度このVERSYS-X 250が発売だった事と「北海道ツーリングをVERSYS-X 250に乗って楽しんでいる自分の姿が想像できた」ことでヴェルシスに決めたそう。
VERSYS-X 250ツアラーを探したものの無印もツアラーも共に売り切れ。2か月後に無印のVERSYS-X 250がたまたま入ってきたと聞き即決。納車後2か月で北海道ツーリングへ行ったそうです。
・・・アルートさんは結構”思い立ったら吉日”タイプのようですね!
VERSYS-X 250で北海道ツーリングはいけるのか?
VERSYS-X 250はアドベンチャーバイクといっても250ccです。このバイクで北海道ツーリングはどうだったのでしょうか?
本記事では北海道ツーリングについてのインプレをメインにしつつ、購入してから1年間で街乗りからロングツーリングまで乗ってきてわかったインプレも紹介します。
VERSYS-X 250は長距離も快適だった!
アドベンチャーツーリングなら快適性は大事です。
結論から書くとアルートさんは「(VERSYS-X 250で北海道は)かなり快適だった」とのこと。
北海道ツーリングで(寄り道しながら)一日中走ったあとも「特段疲れはなかった」と話していました。(エストレアで長距離はかなり疲れるとも話していました)
ヴェルシスの何が快適な要因につながっているのでしょうか。
VERSYS-X 250は風の負荷が少ない
バイクは風を感じる乗り物としてメリットのように書かれることも多いですが、長時間走る場合には疲れにつながる要因の一つとなります。
VERSYS-X 250ではハンドガードやウィンドスクリーンによって体が受ける風がかなり軽減されるとのこと。
北海道ツーリングのように一日中バイクに乗っているならなおさら、風対策をすることで疲労感が変わってくるんだそうです。
VERSYS-X 250ツアラーならハンドガードも標準装備ですが、スタンダードを買われたアルートさんは後付けしたそうです。
疲れないVERSYS-X 250のエンジン特性
VERSYS-X 250はカワサキNinja 250の並列二気筒エンジンを流用していることもあり、「高回転寄りで中高回転くらいまで回してあげて乗るのが楽しいエンジン」なんだそうです。
パワーについてですが、ライバルであろうスズキVストローム250が22馬力なのに対してVERSYS-X 250はなんと33馬力もあります。これが、スピードを維持して流して走る時は中回転域で走り、追い越しや加速したいときには高回転にすることでストレスなくバイクコントロールできると話していました。
また、二気筒なので単気筒と比べても振動は少なく手がしびれにくいようです。
なお、Ninja250と少しだけ乗り比べたことがあるそうですが、ヴェルシスのほうがやや低回転もトルクがあるように感じたそうです。この辺りは同じエンジンでも味付け(マップ変更)で調整しているのですね!!
VERSYS-X 250はポジションが楽だった
北海道ツーリングのようにずっと走っているときに効いてくるのがポジション。
VERSYS-X 250はライディングポジションも体に負担が少ないので長く乗っていても体が痛くなることはなかったとのこと。
VERSYS-X 250は“見た目”よりずっと軽い
北海道ツーリング中に何度も「これ400cc?大型バイク?」と聞かれたそうです。写真だとわかりづらいですがアドベンチャーバイクは大柄なので排気量も大きくみられるのでしょうね。
しかしエンジンやフレーム設計は250ccなので「見た目よりずっと軽く感じる」んだとか。
カタログスペックでVERSYS-X 250は175kg。他の250ccオフロードバイクと比べると重いですが、アドベンチャーバイクと比べると破格の軽さと言えます。
軽いメリットとして「駐車場などでの取り回しのしやすさ」があるそうです。この辺りは大型アドベンチャーではない250ccならではなメリットと言えます。
VERSYS-X 250は未舗装路も楽しく走れた
アルートさんは普段オフロードを走らないそうですが、北海道では何度かフラットダートも走ったんだとか。
初めてのダート走行は「ガタガタしつつも安定して走ってくれて無事に切り抜けることができた」とのこと。その時に動画撮影していたらしいのですが「おー!おー!」と思わず声が出てしまう程には怖さよりも楽しさのほうが上だったと興奮気味で話されていました。
重さや装備を見たら決してオフロードでジャンプしたりヒルクライムしたりするバイクではないですが、フラットダートくらいまでなら問題なく走れる性能はありそうですね。
※なおネットで調べるとヴェルシスでとんでもないジャンプしたダートをかっ飛ばしている写真や動画も見つけられますのでできないわけではないようです汗
北海道ツーリングでVERSYS-X 250での不満点は?
良いところはもちろんですが、VERSYS-X 250のデメリットや気になる点もあるはず。
その点について聞いてみいましたが、結論から書くと「大きな不満はなかった」とのこと。
北海道ツーリングにVERSYS-X 250で行く時に「もっとこれがあれば・・・」という不満は”ほぼ”なかったそうです。
VERSYS-X 250のヘルメットロックの位置は気になった
ヘルメットロックの位置はやや気になったようです。
VERSYS-X 250ではシートを開けないとロックできない為、ヘルメットロックするのがちょっと大変なんだそう。
ツーリングの途中でヘルメットを紛失したら怖い。でも休憩スポットでずっとヘルメットを持ち歩きたくない。ということでめんどくさいと感じていたそうです。
VERSYS-X 250のハンドル切れ角は少なめ
車重が軽いので駐車場で取り廻す際に扱いやすい反面、ハンドル切れ角は浅いので切り返しが多いと感じることがあるそうです。
走行中にUターンしようとしたら予想以上に切れ角が無くて立ちごけしちゃいそうですが、アルートさんはそんなことはなかったようです。
・・・以上。
本当にそれだけ・・・?
パワー不足は感じなかった?
北海道ではみんなぶっ飛ばして走り続けているイメージがありますが、実際にそんな走り方をしていると遅かれ早かれ警察のお世話になってしまいます。
そしてVERSYS-X 250は「常識的なスピード」で走る分には全くパワー不足を感じることはなかったそうです。
※なお色々調べたところこのバイクだと130km/hがMAXスピードのようです
VERSYS-X 250の燃費や航続距離は?
カワサキの公式ページによると燃費は
31.0km/L(国土交通省届出値:60km/h・定地燃費値、2名乗車時)
とのことですが、アルートさんにメーター読みでの体感だと「ロングツーリング中は30km/l前後」で「街乗りやストップアンドゴーだと24-25km/l」とのこと。大体カタログ通りですね。
なおガソリンはレギュラーガソリンです。VERSYS-X 250のガソリンタンク容量は17Lなので高燃費状態なら400kmちょっとは走れる計算。
参考までに、アルートさんは北海道ツーリング中「300kmくらいでガソリンスタンドに入り、10-13Lくらい給油していた」とのこと。
驚くべきことにアフリカツインスタンダードモデルよりも航続距離は長いです。
北海道ツーリングにお勧めのカスタムは?
VERSYS-X 250で北海道ツーリングに行ったアルートさんに装備してよかったオススメカスタムを聞きました。
タナックスのツアーシェルケース
アルートさんの場合はツアラーモデルではなかったのでサイドパニアケースの代わりに「タナックスのツアーシェルケース」を購入したそうです。
上記ツアーシェルケースに併せてタンクバッグとミニフィールドシートバッグを装備。
三種の神器、ではないですがトータルで65Lくらい入るのでキャンプツーリングしないアルートさんとしては全く不満はなく、お土産も買うことができて快適なツーリングができたそうです。積載量が65Lあればキャンプツーリングにも使えますね。
なお「ミニフィールドシートバッグ モトフィズ」はセロー乗りで北海道へ行かれた以下記事でも使われていました。北海道ライダーご用達なのか!?
ハンドル周りのカスタム
ハンドル周りはこんなアイテムを装備していたようです。
- Daytona スマホホルダー
- GoProマウント
- USB給電(社外品)
昔はツーリングまっぷる頼りでしたが、今では電波と電源があればスマートフォンのナビも使えます。ロングツーリングに行くならぜひ入れたい装備達ですね。
それに加えて、純正ハンドガードも装備したそうです。
これはオフロードに行くわけではないですが、「見た目がかっこいい!」という理由でVERSYS-X 250ツアラーのガードを選んだとか。実際使ってみると予想以上に防風効果があったため”うれしい誤算”だったようです。
ハンドガードはツーリングライダーでも効果や恩恵があるのであったほうがいいアイテムだと話していました。
純正センタースタンド
VERSYS-X 250ツアラーだと標準装備となるアイテムであるセンタースタンドを取り付けたそうです。
これは砂利道でも安心して駐車できるようにしたかった為導入したんだとか。
ゲルザブもあったほうがよかった?
アルートさんは装着しなかったようですが、VERSYS-X 250界隈だと「シートが固い」という意見が多いようです。
気になる人はシートに敷くクッション(ゲルザブ)もオススメしたいとのことでした。
VERSYS-X 250は誰にオススメ?
最後にアルートさんにこのバイクはどんな人にお勧めできるか聞いてみました。
こんな人にオススメ!!
- 楽にロングツーリングしたい人
- 普段舗装路だけど砂利道くらいの未舗装路も走りたい人
- 250ccならではな価格と車重の軽さに魅力を感じる人
- 大きいバイクに乗りたい人
- 他人と全く違うバイクに乗りたい人(見た目の個性が強い)あとカワサキ愛がある人
こんな人にはオススメできない!!
- 見た目が好きになれない人
- スペック厨な人(大きいけど所詮250ccなりのパワー)
- 大型アドベンチャーバイクと比較している人
インタビューした人
- 名前:アルート
- 愛車:Kawasaki(カワサキ) Versys-X 250
- バイク歴:3年
- アカウント:Follow @CUB_to_ESTRELLA
- 最後に一言:”Versys-X 250は400cc並の車格ながらも中身は250ccというギャップがあります。このギャップに心惹かれる方はぜひ試乗してそのまま買ってください!!←”
ぼっちバイカーのヒトコト
ぼっちバイカー
250ccでキャンプツーリングできるバイク探している人にはヴェルシスを推そう!!
[…] 実際に北海道ツーリングに行った方の感想としては、全然疲れを感じないとのコメントもあるようで、正直ツーリング向きすぎます。 […]