FanticのFlat Track(フラットトラック)シリーズには125cc,250cc,500ccの3つの排気量があります。

Fantic Flat Track
今回はその特徴と違いについてご紹介。
Fantic FlatTrack(フラットトラック)の特徴は?
Fantic FlatTrackの特徴は名前の通り、フラットトラックを走るダートトラックスタイルをモチーフとしたバイク。

ダートトラックスタイルとはアメリカ発祥のフラット(ダート)トラックレースで走っていたバイクスタイルで、オフロードレースですがモトクロスのようなジャンプや凹凸はなくフラットダートなオーバルを走る伝統的なレースです。
Flat Track500のこのPVを見れば一発でわかります。
特に特徴なのがホイールがフロント・リアともに19インチのスポークホイール。これがダートトラックスタイルです。そのスタイルがゼッケンナンバー”19″にも表れています。

“19”の意味を知ってるか?
ロードマシンに多く採用されている 17インチよりもホイールの直径が大きいことでコーナーリングでの安定性が高く、リヤをスライドさせた時のコントロール性も良好。安定性とコントロール性の高さから街中からワインディング、高速道路、一般的な林道まで幅広く楽しめます。

前後19インチタイヤはFlat Trackだけ!
なお、前後19インチのダートトラックスタイルのバイクはレーサーをのぞいたらFantic以外では出していないんだとか。ヨーロッパ・アメリカでも最近はフラットトラック系のバイクが流行っているそうですが、どのメーカーもリア19インチではないんだそう。これは足つきの問題などもあるようです。

そういう意味でこのバイクは「ダートトラック・レーサーに保安部品を付けたようなバイク」と形容するほうがいいのかも知れません。
街中を走れば目立つこと間違い無しです。
19インチのタイヤはどうすれば?
Flat Trackのリアタイヤは 140/80 19インチのタイヤを装備しています。このタイヤサイズは珍しく他と被らない半面、タイヤの調達が心配になるかもしれません。
が、そこはご安心を。
日本ではShiko(シンコー)だけ唯一、このサイズのタイヤがあります。

Shinko SR268
SR268はコンパウンドも3種類選べるので、レーシーな走りからがっつりオンロードツーリングする高寿命な走りにも対応しているそうです。
ダートトラック・レーサーに保安部品をつけたようなバイクだ
実車を見て一番感じたのは、「ダートトラックレースで走ってるマシンに保安部品を付け多様な佇まい」ということ。

武骨で渋いメーター

特にリアフェンダーはすごいです。

上から見た図
いわゆるリアフェンダー部分の裏から補助フレームが二本出ていて、そこに保安部品がつけられています。
このフレームはどうやってマウントされているかというと・・・

ボルト二本でマウント
“外せ”と言わんばかりのスタイルです。この”レースにすぐ出れる佇まい”が堪りません。
Fantic Flat Track(フラットトラック)の違いは?
3つの排気量がありますのでスペックシートから分かる共通点や違いについて紹介します。
FlatTrack(フラットトラック)の共通スペック
スペックシートで共通しているのは以下項目です。

方式:SOHCの4バルブエンジン
始動:セル
ギア:6速
クラッチ:湿式多板クラッチ
排気システム:デュアルエグゾースト by ARROW
フレーム:クロムモリブデン鋼 中央チューブフレーム
スイングアーム:スチール製可変セクションプログレッシブリンク
ホイール:ブラックアルミニウム
ABS:コンチネンタル製 2チャンネルABS
フロントサス:FANTIC FRS ø41mm upside down
フロントサス長:150mm
リアサス:FANTIC FRS, rebound damping regulation
リアサス長:150mm
シート高:840mm
ホイールベース:1425mm
全長:2120mm
燃料タンク:12l
排気量ごとの違う部分は?
500cc,250cc,125ccの違う部分だけを以下表にまとめました。
項目 | 500cc | 250cc | 125cc |
排気量 | 449cc | 249.6cc | 124.45cc |
MAXパワー | 40HP @7500rpm | 25HP @8500rpm | 不明 |
MAXトルク | 43Nm @6000rpm | 22Nm @6500rpm | 不明 |
ボア・ストローク | 94.5mm・64mm | 77mm・53.6mm | 52mm・58.6mm |
インジェクション | ATHENA GET製 電子FI – スロットルボディ ø40mm | ATHENA GET製 電子FI – スロットルボディ:ø34mm | Keihin ø30 |
タイヤ | 110/80 R19, 140/80 R19 | 110/80 R19, 130/80 R19 | 110/80 R19, 130/80 R19 |
ブレーキ | Front floating brake disc ø320mm – Rear brake disc ø230mm | Front brake disc ø320mm – Rear brake disc ø230mm | Front brake disc ø320mm – Rear brake disc ø230mm |
乾燥重量 | 150 kg | 140 kg | 130 kg |
価格(税込) | 110万円 | 89万円 | 79万円 |
Fantic Flat Trackの排気量ごとの違いとしては、500ccではタイヤが140/80と少し大きくなり、かつフロントブレーキもフローティングブレーキに変わっています。逆に言えばそのくらい。125と250ではエンジン以外だとFIかキャブかが大きな違いと言えます。
外見での違い
外見をそれぞれみてみましょう。

Fantic Frat Track 125

Fantic Frat Track 250

Fantic Frat Track 500
気になったのは以下です。
・エキパイのヒートガードは3種類みんな違う
・125だけスイングアームの形が違う?
・125だけマフラーの形がシンプル
・125だけエンジンの色味が違う
逆に言えばこのくらい。外装などはどれも同じに見えますね。
アラウンドビュー
実際に動画を撮影してきました。
フラットトラックのどれを買うべき?
もしフラットトラック・シリーズで迷っているなら・・・
・大型免許を持っていてオンロードがメインならパワーにゆとりがある500
・高速には乗りたいけどダートもガシガシ行きたいなら軽い250
・維持費を安くしたい。あと街乗り程度で高速乗らないなら125
ガソリンタンクは3つとも12L。Flat Track500は最大航続距離が気になります。リッター20km行くなら200kmは行きますが、リッター15kmだと200km走りません。
まとめ
Fantic FlatTrackシリーズの違いについて紹介しました。

ファンティック フラット トラック
共通する部分が非常に多く、エンジンに合わせた微調整に止まっていると感じます。とにかく、どの排気量も”フラットトラック”と呼ぶにふさわしい仕上がりになっているので予算や使い方に合わせて選択するのが幸せになれるはず。
かなり渋いバイクなのでライディングウェアもキメッキメで乗りたいですね!
兄弟車のスクランブラー・シリーズとの違いについてもチェック!!