初めてKTM 250EXCを新車で買って1年経ったのでインプレ

こんにちは。ぼっちバイカーです。

僕の愛車であるKTM 250EXCを紹介します。

ぼっちバイカー

ぼっちバイカーと250EXC

僕のバイク歴

バイクに乗られている方は「若い頃から乗っていた」という方が多いですが、僕は社会人になってから3年後に普通免許・大型免許をまとめて取得した、いわゆる「やや遅咲きライダーです」。

中古のYAMAHAのV-MAX(1200cc)でバイクビュー。その後KTM 200Duke→KTM 690ENDURO R→KTM 250EXCと乗り換え今に至ります。

「大型→小型」を繰り返すいわゆる”バイク乗りあるある”ですが、大排気量・小排気量それぞれの良さや楽しさや辛さは一通り経験してきました。

愛車紹介

簡単ですが僕の愛車KTM 250EXCを紹介します。

250EXCはヨーロッパメインなオンタイムエンデューロ、そしてアメリカンなクロスカントリーレース(ヘアスクランブル)といったいわゆるエンデューロレースの為の”オフロードレーサー”と呼ばれるバイクです。

レーサーはそれぞれ1年間に数十台しか売れない(日本に入ってこない)ので手に入れるのには運も必要。僕は2018年モデルがデリバリーされる数ヶ月前だったことを交渉材料に結構安く2017年モデルの新車をゲットしました。

KTM250EXC2017年モデルの画像

納車後の250EXC

なおこのモデルは「最後のキャブレターバイク」です。(2018からTPIというフューエルインジェクション方式に変わった)

この250EXCを購入して1年以上経過しました。乗り方は「クロスカントリー4割、ハードエンデューロ・アタック林道4割、公道走行2割」といった割合でゆるふわなオフロード遊びをしています。

ズバリよかったこと

250EXCを買って一年と2か月が経ちました。購入してから何度も「よかった」と感じたことを紹介します。

21世紀に新車の2ストに乗れる!

このバイクの一番の特徴はいわゆる”2スト“、2ストロークエンジンのバイクという点です。「21世紀に2ストの新車に乗れる」というだけでも1つの価値があります。

2ストについてここでは詳しく説明しませんが4ストと比べて「構造がシンプル」「瞬間的なパワーが倍くらいある」「2ストオイルをガソリンと一緒に燃やすので煙がすごい」「くさい」「環境によくない」といった特徴があります。

KTM 250EXC暖気運転の画像

くさいし音もすごいので暖気時は気を使う

特に「”パイーン!!“という2スト特有の甲高い音」、「パワーバンドに入った時の猛烈なパワー感」、「独特な煙のにおい」は本当にクセになりますし、250EXCに乗るときは今でも思わず頬や緩んでニヤッとしてしまいます。

2ストは特殊ですがその中でも250EXCならではなインプレを紹介します。

思ったほどピーキーじゃない!

2ストというと「パワーバンド以外がダメダメ」、「だらだら開けずに走るとプラグがすぐかぶる」、でも「開けすぎると油膜が切れてエンジンが焼付く」てな感じで、いわゆる”ピーキーなバイク”と思われる方も多いです。

しかし、実際に乗ってみるとわかるのですがこのバイクは低速がかなりモリモリです。

というのもエンデューロではウッズという木の間や沢のよう場所が多く、ここではジワジワと極低速から豊かなトルクが必要なのです。そういう場所を楽に走る為に作られているので「2ストは常にカチ開けないとダメ」なんていうアホな話はKTM 250EXCには関係ありません。

低速トコトコでも走る250EXCは決して”ピーキーなマシン”ではないです。

整備性が良い!

構造が単純なのでパーツ点数も少なくシンプル。そして、エンデューロレーサーなのでレース中に素早くトラブル対処できるよう整備性は高いです。

KTM250EXCの整備性が高い写真

ここまでボルト4本外すだけ

構造がシンプルで作業も簡単なので自分でメンテする範疇も広いし、バイクいじりも楽しめます。

とにかく軽い!

4ストロークバイクよりも構造がシンプルなので軽いです。

オフロードバイクは”軽いは正義”。特にバイクを押したり引いたり起こしたりすることが多い”ハードエンデューロレース”では数キロの差がキモになってきます。

・・・環境にはよくない2ストですが、いい面もたくさんあるのです!

カスタム不要な高性能パーツ

オフロードレーサー、特にKTMのレーサーは市販車と比べて最初からついているパーツが豪華なので僕レベルではそのままで十分です。

WPの猫足で魔法のじゅうたんなサスペンション、ストッピングパワーに優れるブレンボのブレーキ・軽く切れるクラッチ。軽量化パーツの初めからついてます。

おかげでオフロード走行では乗り手が下手でもほとんどの部分をマシンが補ってくれます。普通のトレールバイクだとサスが底付きして転んでしまう場面でも、グニーっとサスが受け止めて何もなかったように戻ります。フロント300mm、リア310mmストロークのサスは伊達じゃないです。

自走ツーリングもいける

知らない方は驚かれるのですが、このバイクはレーサーなのにナンバー取得ができます。なのでレールバイク同様、自走ツーリングもできますし街乗りも問題ないです。中にはこのEXCにモタードタイヤを履かせてツーリングしている人もいます。

2ストで混合給油、そしてマシンやタイヤの消耗、シートの細さからくるライダーの消耗などデメリットも多いですが自走で林道遊びもできます。僕は東京から福島まで片道約300kmの林道ツーリングもしたことがありますがノートラブル。燃費も6速でパワーバンド手前をキープして走れば 16km/Lという驚異の燃費を叩き出しました。

もちろんトレールバイクには色々と敵わないですが、こういった使い方もできるのです!

かっこいい!!

これはめちゃめちゃ主観ですが、かっこいいです。

デカール変更した250EXC

海外の5000円デカールへ貼り変えると印象がガラッと変わる

All muscle, No fat.(全て筋肉。脂肪はない)”という紹介文がつく程無駄のないデザインで力強さを感じます。

乗り手は万年初級者な僕でもこれに乗っている時は誇らしく感じる。KTM 250EXCはそんなバイクです。

困ってること、不満点

「市販車よりもパワーがあって、軽くて、パーツは豪華で、自走もできる。しかも見た目もかっこいい!」そんな250EXCですが不満点や「もっとこうだったらいいのに・・」ということは当然あります。

混合給油が大変

このバイクは”混合給油方式”なので「2ストオイルを混ぜたガソリンをガソリンタンクに入れる」という儀式が必要です。

普通は別のミックスタンクでガソリンと2ストオイルを決まった比率で混合しそれからガソリンタンクに注ぎます。しかし自走だと給油する給油量に合わせて毎回混合比から投入する2ストオイル量を計算しないといけません。例えば「多分3リットルくらい入るから混合比1:6 0だから50ccのオイルを入れよう」って感じ。セルフ式のガソリンスタンドならあまり気にならないですがフルサービスのGSだと店員さんをまたせるので気を使います。

自走できるとはいえ長距離だとこの面倒くさい儀式を毎回やらないといけないのであまりお勧めできません。(なお僕はこの儀式が毎回好きで楽しみにしている)

パーツ代はややお高い

パーツというか本体自体も国産のレーサーに比べると割高です。

これはKTMが高品質のパーツを使っている関係もあると思うのですが、パーツが壊れた時に買うスペアパーツがボディブローのようにお財布にじわじわとダメージを与えてきます。例えばブレーキやクラッチはブレンボ。ブレンボのレバーってだけで普通のレバーより高くなります。

レバー類は1万円出して数千円お釣りがくるイメージ。

品質はいいのでしょうがパーツ破損するとテンションが下がり、心が冷えます。

なおEXCは世界的に人気車種なので中華パーツなども出ており安く早く買うこともできるようです(人柱求む)

納期は気にならない程度

KTMは外車ですが一般的に必要なパーツは注文してから1週間かかりません。国産メーカーに比べたら遅いかもしれませんが僕レベルのホビーライダーなら1週間くらいでパーツが届くなら問題なしです。

なおシリンダーヘッドなど普段購入しないようなアイテムはバックオーダーがかかってしまうので1-2か月かかることもあります。

全体的に大柄な人向け

オフロードコースやレース会場で他のオフロードレーサーに跨ってみると気がつくのですが、EXCはシート高だけでなく全体的に大きいと感じます。特にシュラウドは”コンパクト”と呼ばれているBetaのRR2Tやクロストレーナーよりもひとまわり横に出ている印象。

僕は身長が185cmあるので「大きいけど丁度いい」って感じですが、僕のような”大柄な人が乗るバイク”だと感じることがあります。足の長さだけではなく体重や体格などもあるので、色々なレーサーをまたがってみて欲しいです。

2スト手強い

2ストはいいぞ!」と書いておいてあれですが、最初の3月は「2ストは手強い」と感じることばかりでした。

2ストでは”第二のアクセル”と呼ばれるほどクラッチ操作も積極的にしないといけません。4ストに比べてクラッチ操作の作業量が多いので忙しいし、パワーバンドに体がついていけなかったりと大変。あとエンジンブレーキが弱く、特に坂の下りではまるでニュートラルに入っているんじゃないかと感じるほどです。怖い!

KTM250EXCで転んでる画像

コントロールできずに転がる僕

今でこそ慣れてきましたが、乗り換えてすぐの頃は4ストに戻りたくてやや後悔した程w

ということで楽にうまくなるなら絶対4ストだと僕は思います。でも冒頭に書いた通り2ストって乗るだけで楽しいしかっこいいしクセになる悪魔的な乗り物。「パイーン」という音を鳴らしながらガリガリ走っているEXCの姿はかっこいい。これに尽きる。もし次にエンデューロレーサーを買うならやっぱり2ストが欲しいです。

キャブは大変

「次も2ストを買います」と書きつつか買うなら絶対FIがいいです。

このバイクの翌年からはTPIというフューエルインジェクション方式に変わりました。

「キャブレターの方がパワーも出るし好き」という方もいますが僕はキャブのセッティングも苦手だしよくわからないので全てお任せなFIで十分かな。あとフューエルコックを休憩中オフにしていたのを忘れてそのままヒルクライムに突入して途中でエンストすることもよくあります。

ということでキャブは辛いのでできればFIが欲しい!!

250EXCにオススメカスタム3つ

250EXCは最初から最高グレードのパーツがついています。なので「パーツのアップグレード」は基本しなくていいと思います。

…といいつつエンジン関連パーツやチャンバー、ホイール関連、ガード類、キャブレター関連、外装などいろいろとカスタムしてきた僕が振り返って見て「やってよかった」と思っているパーツを紹介します!

各種ガードパーツ

転んだり失敗することが多くなりそうなら、ガードパーツがあったほうが万が一の時にも精神衛生上も良い。いわゆる「転ばぬ先の杖」です。

KTM250EXCのガードパーツが付いた写真

ガードパーツは機能美を感じる

具体的には僕は以下パーツを付けました

  • ハンドガード(アルミ)
  • アンダーガード(スキッドプレート)
  • スイングアームガード
  • フォークシューガード
  • フロント・リアブレーキディスクガード
  • クラッチレリーズガード
  • ラジエーターガード
  • チャンバーガード
  • フランジガード

なおチャンバーガードだけはチャンバーが傷つかない代わりにチャンバー全体が歪んでしまうのでなくてもいいかも?と思っています。

ディーラーによっては納車時に工賃不要で取り付けてくれるのでお願いしちゃいましょう!あとから取り付けようとすると「本体が曲がって取り付けできない」となる場合もあります。

ガードパーツを盛り盛りにすることでお金はもちろん、重さや可動範囲が狭まる可能性もあるので、どこまでガードするかはお金やデメリットを加味して決めましょ。

Sixdaysモデル

EXCには必要なパーツが初めからパッケージングされた”Sixdays(シックスデイズ)”という上位モデルがあります。パーツをそれぞれ買うより安いので、デザインや在庫状況などの理由がないならSixdaysモデルをおすすめです。

Tublissでパンクの恐怖から解放

オフロードバイクでは空気圧を落としてトラクションを増やすわけですが、空気圧が低すぎると急加速や急停止のタイミングでタイヤ中のチューブが空転することがあり、最悪バルブ根本からチューブが裂けます。これを防ぐためにビードストッパーというアイテムを使いますがそれでもずれるときはずれます。また空気圧が低すぎるとタイヤのビードが落ちることもあります。

そんな恐怖から解き放ってくれるのがTubliss(チューブリス/タブリス)というアイテム。

端的に書くと「中に水道ホースみたいな細い高圧のインナーチューブがあり、低圧にしてもビードが落ちないチューブレスタイヤ」です。

インナーチューブがパンクしなければチューブレスの部分は大気圧(空気圧0)でもビードが落ちません。つまりタイヤに穴が空いても全く影響がないということ。そしてチューブが無いのでビードストッパーも不要。チューブもビードストッパーもないタイヤ交換はめちゃめちゃ楽ですし、例えばタイヤに穴が開いてもコアチューブが無事なら”大気圧”のまま走り続けることができます。絶対パンクしないわけでは無いですがパンクのリスクはかなり低くなりますし、なによりも安心感があります。

これはオフロードバイク全般なのでEXCだけじゃないですがTublissはおすすめです!

自走派ならエンデュリスタン

あなたがトランポを持っていなかったり、自走でオフロード遊びしたい!という場合、どうしても気になるのが「積載」です。フックなどツーリング装備は皆無なオフロードレーサーでも取り付けできるのがサイドバッグとリアフェンダーの上に取り付けるバッグです。

いくつかのメーカーから出ていますが、僕はエンデューロレーサーにもつかえるエンデュリスタンの「ブリザードサドルバッグLサイズ」と「XSベースパック6.5リットル」を愛用しています。

これで福島まで林道ツーリングにいきましたが、プロテクターや着替えなどはサイドバッグに入れておくことで快適なオンロード走行ができ、オフロード走行時もライディングを邪魔しないで走ることができます。

・・・

書いた通り最初からいいパーツがついているので僕のような初級者だったら性能アップ系のカスタムは不要。ガード類や便利グッズ、消耗品にお金をかけたほうがいいかなと思います。

次に乗り換えるなら?

僕は2018年の冬でバイクは一旦降りる予定ですが、もし今後も乗り続けられるならこのバイクに乗り換えたいなぁと思っているバイクがあります。

それは・・・

KTM 790 ADVENTURE R

KTM 790 ADVENTURE R

「え?レーサーじゃないの?」

となりそうですが万が一今後乗り続けるとしたらきっとトコトコ楽しく、レベルになるはず。ならトランポ不要で自走で舗装路やちょっとしたオフロードも楽しめるいわゆる「デュアルパーパス」な790 ADVENTUR Rは僕にとってぴったりだなぁと。

まだ発売していないですがプロモーションビデオも出ているし、確実に2019年あたりに出てくると思っています。790Dukeのエンジンと共通ですがこの前乗った時は低速トルクも結構あったし爽やかな道なら楽しめるはず。

結構気になっているバイクです。

まとめ

KTM 250EXCのインプレッションでした。

まとめると・・・

バイク情報KTM 250EXC(2017年式)
今まで走った距離(時間)約120時間
良いところ* 新車の2ストバイクに乗れる
* パーツが最初から最高クラス
* 軽い
* かっこいい(主観)
気になるところ* 給油が大変
* パーツ代が高い
* 大柄な人向け
おすすめカスタム3つ* 各種ガードパーツ
* Tubliss
* 予備外装一式
最後に一言KTMはいいぞ
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こんな感じ。

オフロードを楽しむなら間違いなく最高のマシンですしマシン性能に何度も命を救われています。オフロードレーサーということで一般的にはなかなか売れないマシンですが非常に楽しいマシンですね!

ぼっちバイカーのヒトコト

 

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ぼっちバイカー

「バイクレ!!」最初のインプレ記事がKTM 250EXCって…(察し)
でもオフロードをがっつりやる気あるならレーサー買うと楽しいよ!!