こんにちは。ぼっちバイカーです。
海外のスクーターである、Lambretta(ランブレッタ)のV125 Special Flex(フレックス)をお借りする機会を得たため、ランブレッタのいいところ・悪いところを徹底的に探ってきました。
特にお金を頂いてレビューしているわけではないので率直に思ったことをインプレとしてご紹介します。
ランブレッタ V125を一言で書くと、「乗るとオシャレがしたくなるバイク」でした。
目次
ランブレッタとは?
ランブレッタはもともと1948年からスタートしたイタリアのスクーターブランド。
モッズブームの代名詞としてイタリアの若者流行し、1969年に出たモデルGP(イギリス以外ではDL)を最後に生産終了となりました。
モッズ (Mod、Mods、Modernism or sometimes Modism) は、イギリスの若い労働者の間で1950年代後半から1960年代中頃にかけて流行した音楽やファッション、それらをベースとしたライフスタイル、およびその支持者を指す。ロンドン近辺で発祥した。モッズファッションとしてよく連想されるものとして、髪を下ろしたMod Cut、細身の三つボタンのスーツ、ミリタリーパーカー、多数のミラーで装飾されたスクーターなどがある。
wikipedia.orgより抜粋
そんな”ランブレッタ”が2017年に伝統と利便性を兼ね備えた形で復活。デザインは伝統を取り入れながらモダンで斬新なデザインが得意なKiskaが担当しました。
日本では2018年からデリバリーが始まり、日本代理店は”B+COM”でおなじみのサインハウスです。
なお、上記ショールームは 2019/3/11を最後に移転。3/30から新しいショールームがオープンするそうですよ!
ランブレッタ V125 Specialとは
ランブレッタには50,125,200と3種類の排気量があり、今回お借りしたのが125。
V125 Specialにも”Fix”というフロントフェンダーが固定されたタイプと”Flex”というフロントフェンダーが追従するタイプがあります。もともとのランブレッタではFixなのでルーツや伝統を重んじるならFix一択です。(今回はFLexモデルのインプレです)
V125には7色ものカラーリングがありますので、”好きなカラーか””FixまたはFlexか”で悩むことになりそうです。
空冷の4ストローク単気筒124.7cm3のエンジンで、最大出力は7.5kW。最高速度は95 km/h。ランブレッタのガソリンタンクは6L±200mLで、ハイオクガソリン指定です。
モデルやタイプでカラーが変わるので、以下サイトをチェックするのが一番早い。カスタムパーツの併せて価格も出てきます。
ランブレッタ V125 Special Flexに乗ったインプレ
イタリアではランブレッタに乗るオーナーのことを「ランブレッティスタ」と呼ぶのだそう。
僕も一時的ではありますが、ランブレッティスタとして東京の夜をランブレッタで走ってきました。
ランブレッタの良いところ
まずは乗ってわかったランブレッタV125に乗って感じた良いところから。
なお僕は今までの人生で一度もオートマのスクーターに乗ったことがありません。125ccのバイク自体もあまり乗ったことがないので他者との比較というよりは、普段MTのネイキッドやオフロードバイクに乗っていた僕が率直に感じたことを紹介します。
デザインが一切ダサくない
スクーターはコミューターとして「燃費」「快適性」「積載性」「コスパ」をメインで探す方が多いため、「おしゃれ」なスクーターは多くないです。そういった意味でこのランブレッタは「おしゃれ」な路線を極めたスクーターと言っていいと思います。一切ダサくない。
どんな場所でも絵になります。
実物を見るとわかるのですが”とにかくおしゃれ”なのでバイクに乗る前や乗っている最中やバイクから降りてランブレッタをふと見た時につい、ニッコリしてしまいます。
興味ない人からしたら単なるスクーターですが、バイク好きな人やスクーターに乗ってる方なら「おしゃれなスクーターやん」と目に止まること間違いなし。
灯火類は全て一体型
ランブレッタのウィンカーは前後どちらも一体型なので野暮ったさが全くありません。
非常にすっきりしているので写真映えがすごい。つい写真を撮りたくなります。
チープ感が全くない
外車と言えどもスクーターです。実物は結構チャチな作りしてるのでは?と思っていました。
しかし、当日ショールームで見て実際に触り、横から覗いたり後ろから眺め、バイクにまたがってハンドルを握り、そして運転した時に全く安っぽさを感じなかった。
デザインは伝統を重んじつつも、現代の軽くて丈夫な素材を用いて軽量化されており、所有感も高まりますね。
パンが2斤がヨユーで入る!
これはランブレッタに限らずかもしれませんが、シート下に荷物が入るのでとにかく街乗りは楽でした。
ふとパンが食べたくなって気になっていた駒沢のパン屋さん『ブレッドプラントオズ(Bread Plant OZ)』へ。
ランブレッタに乗ると、こういうパン屋巡りも楽しいバイクの時間となります。
なお、寒い夜でしたがエンジンの熱でシート下の収納部分は割と暖かかったです。チョコレートなど溶けるものはあまり入れない方がいいかもしれません。(パンはほかほかで家に持ち帰れました)
身長185cmでも思ったほど窮屈感がなかった
僕は身長185cmと長身の部類に入るのですがバイクに関しては悩みがあります。
それが「サーカスの熊」になってしまうこと。どんなにバイクがかっこよくても僕が乗るとバイクが小さく見えることが特に小排気量のバイクで良くあるのです。なのでランブレッタも僕が乗るとダメダメかなぁと心のどこかで諦めていました。
しかし、乗ってみて感じたのは予想よりも窮屈感がないこと。そして自分が乗っている姿を見てもそこまで”サーカスの熊感”がなかったのです。
むしろ、シートの横幅が広いのでシート高770mmとはいえ足つきが良いとは言えない気がしますので足つきチェックはしたほうがよいです。
・・・が、個人的にはこれもいいなぁと思う点でした。
パワー感はちょうどよかった
停車からの発進時はスロットルいくら開けても全然進まないので驚きましたが、ライターの秀吉にもV125に乗ってもらったところ「125ccスクーターならこんなもの」なんだそう。これは逆に言えば穏やかなスロットルという意味では正解ですし快適ですね。
発進だけは気になったもの、スタートしてバイクが動き出してから60km/hまでの加速はスムーズ気持ちよく、他の車の流れにもヨユーでついていけます。追い越ししたい時にややパワー不足は感じつつも3-5秒ほどで追い越ししていくイメージを持てば、なんというか「ちょうどいい」って感じです。
そこまでパワフルだとは感じませんでしたが街乗りならこのくらいあれば十分かなって感じ。排気音は味がなかったのは個人的には残念。もう少しボスボス言わせながら昔のスクーター(?)のように走ってみたいと感じました。
ランブレッタのデメリットや気になったこと
東京都内のナイトランがメインでしたが、気になったこともありました。
ウィンカーの音が怖い
ランブレッタのウィンカーの音はちょっと”怖い”です。
これは以下動画を見ていただくとわかるのですが、「ピー、ピー、ピー」って感じで、警告音というか病院の心拍計の音みたいなんです。
ランブレッタのウィンカー音 pic.twitter.com/u777CgJY4R
— ぼっちバイカー (@botti_bk) March 17, 2019
いわゆる”カッチカッチ”ではないせいかゆっくり走行しているくらいだとこの音が結構目立ちます。ウィンカーをつけながら信号待ちしていると結構目立つ音なので歩行者の目線を感じました。
これは慣れの問題なのかもしれません。
ランブレッタのサスペンションは良くない
これは僕が今までサスストロークが長いオフロードバイクに乗っていた事もあるかもしれませんが、ランブレッタは道路のちょっとしたギャップを通過するだけでも大げさなほど「ガクン!」と揺れることに驚きました。サスペンションは良くないと感じましたね。
他のサイトのレビューで「サスペンションがいい!」とか書かれていますが個人的には全然そんな感じではなかったです。
レインボーブリッジの下道を渡ってお台場まで走ったのですが、ある程度スピードが出ている状態でギャップを超えるとかなり揺れるし、バイクと一緒に体がゆれることで内臓が浮く感じがあり、レインボーブリッジを通過してお台場についてから若干気持ち悪くなりました。
他のスクーターに乗ったことがないので125ccのスクーターだとこんなものなのかもしれませんが、とても快適とは言えなかったです。
シートは薄い?
乗車時間は2-3時間程ですが、乗っているとおしりが少し痛くなってきました。
一般的なスクーターと比べてデザイン優先でシートが薄いと感じたので、そのせいかもしれません。
ただ、ランブレッタのシートは部分によって厚みが違うのです。特にシートの後ろの方がよりフカフカなのでお尻をシートの後ろまで下げて座ると楽でしたね。
USB充電できるけどスマホが入らない()
ランブレッタにはフロント部分に収納スペースがあり、そこでUSB充電ができます。
ただし、この収納部分が薄すぎて僕のiPhone 8Plusは入りませんでした。iPhoneSEでギリギリ入るかな?っていうくらい(かくにんしたところカバー付きiPhoneXも入るようです)
あとは自分でケーブルを出すよう加工する、、、ということになります。
USBケーブルをステアリングコラムカバーの中を通してメーターの下から出すことができるようなので、それを取り付けたマウントまで持ってくればマウントシステムに装着したスマホを充電しながら走れるそうです(中の人情報)。
ABSはついてない
ランブレッタのV200にはフロントブレーキにABSがついていますが、V125にはついていません。ABSを使う機会はそうないと思いますが、いざという時にパニックブレーキした時はちょっと心配。
その代わりV125は左レバーが”フロントとリア両方のコンビブレーキ”です。
このコンビブレーキのみで急制動(急ブレーキ)を何度か試してみましたが結構いいスピードからでもロックしないで止まれたのでこれならABSがなくてもいいかも?とも感じました。
個人的にはV200よりも制動力高いのでメリットかもしれません。
ランブレッタは”かっこいい”でなく”おしゃれ”なバイク
ランブレッタで街乗りして改めて強く感じたのが、「ランブレッタは足としてのおしゃれなバイク」ということ。
僕は今まで「かっこいいと思うバイクが正義」だと思っていました。でもランブレッタの形容詞はかっこいいではなく”おしゃれ“。
「スポーツ専用シューズを私服に取り入れる」のはおしゃれ上級者テクニックなのと同じで、リッターSS等”かっこいいスポーツバイク”は主張が激しいので私服に合わせるのは難しい。
その点、ランブレッタは”あくまで足”として激しく主張せずに、でもライダーをおしゃれにしてくれる。そういうバイクもあるんだなぁと初めて気づきましたし「ランブレッタに合わせて自分もおしゃれな格好で乗りたいぞ」と終始感じていました。
もしバイク興味ない女の子とのデートで行くバイクを選ぶなら、僕はオフロードバイクでもSSでもツアラーでもなく、ランブレッタを強くオススメしたいです。
参考になるかわかりませんが、バイクが嫌いな僕の妻も「こういうバイクなら家に置いてあっても嫌じゃない」と話していたのでバイク嫌いな奥様の説得用にもありかもしれませんね。
ランブレッタを所有するとおしゃれなところへ行きたくなる
正直、今までバイクに乗っていて街乗りが楽しいと思うことはほぼありませんでした。
その点、ランブレッタは積載も十分できるし写真映えが異常に良いとうこともあり、この数日だけでも「ランブレッタと一緒にどこ行こう!」とワクワクしながら過ごせたのです。
多分ランブレッタを買うことでこういう日常の楽しさが増えたり、普段行かない場所に行ってみたくなる、そういうバイクなんだと感じましたね。
クラシック系が集うライダースカフェも堂々といくことができると思います!
カスタムパーツもあるよ
ランブレッタは公式からもキャリア・スクリーン・ガードがでています。
キャリアをフルでつけてキャンプツーリングしてみたいですね。あえてこのバイクってところがかなり玄人感あります。
ランブレッタのアイテムがおしゃれ
バイクメーカーはオリジナルアイテムを作っていることも多いですが、ランブレッタは特におしゃれだと感じました。キーホールダーはランブレッタのサイドカウル、オイルライター、ドアマットなどなど。。。
でも、今回ランブレッタに乗って一番欲しいと感じたのはマグカップですね。
これでコーヒーを飲みながら美しい愛車を眺める・・・至福の時に違いない。
ランブレッタを買うべき人はこんな人!
ここまで書いておいてあれですが、ランブレッタは万人にお勧めするものではないと感じました。
でも、個人的には特にこういう人にはお勧めしたいです。
イタリアンなバイクに乗りたいけど信頼性は欲しい人
本当にこだわるなら1960年代のランブレッタに乗るべきですが、パーツの入手も大変だし故障も心配。
その点で、このランブレッタはデザインは伝統を踏襲されておりおしゃれ。にもかかわらず、エンジンや足回りなどは現代標準なので安心してコミューターとして乗ることができます。
かっこいいバイクでなく、おしゃれなバイクに乗りたい人
主張しすぎず飽きがこないクラシカルなデザインなので街乗りでも私服にマッチします。
おしゃれなバイクを探している人にはイチオシしたいバイクです。
他の人とかぶらないマニアックなスクーターを探している人
ランブレッタはバイク雑誌などを読んだりして情報収集している人以外では、まだまだ知られていないメーカーだと思います。
ツイッターでも「ベスパ?」という反応もありましたし、おしゃれな外車スクーターといえば”ベスパ”の方が知名度があります。
そういった意味で、ランブレッタはかなりマニアックなスクーターですし、カラーバリエーションも多いので他の人とかぶる率はかなり低いと言えます。
「他の人と同じスクーターじゃやだ」という人にはイチオシしたい。
ランブレッタを買ってはいけない人
逆にランブレッタをお勧めできないのはこんな人。
コスパ・スペックから一番いいものを選ぶ人
他の125ccのスクーターと比較した時に、パワー・価格・積載量等でみるともっと良いバイクがあるかもしれません。
「この値段なら125ccでなく250ccのバイク買うよ!」っていう人もいると思います。ランブレッタはブランドの歴史やデザイン、おしゃれさなど、他では代替できない魅力にコストをかけているので、それに価値を感じないなら避けた方が幸せになれます。
維持費を気にする人
ガソリンはハイオク指定ですし、オイル交換も3000kmに一度やったほうがいいとのことで、購入金額だけでなく維持費も他のスクーターより若干高くなります。またパーツも外車なので国産パーツよりも高いかもしれません。
そういった維持費が高いのが困る人は、ランブレッタはやめたほうが良いと思います。
信頼と安定が欲しい人
このランブレッタV125は2017年から世界的に復活し、日本では2018年からデリバーリー開始しました。
エンジンの耐久性能などまだまだ情報が少ないですし、疑うわけではないですが何かトラブルがあった時に”前例がない”ことも多いです。『絶対に故障しない・故障してもナレッジや前例が多いバイクが欲しい』なら、ランブレッタはもう少し様子を見た方がいいかと思います。
V200とV125の違い
今回125と同時に200もお借りしました。V200についてはライターの秀吉がインプレを担当しています。
一緒にナイトツーリングしている時に少しだけバイクを取り替え、V200に乗ってみたので違いについても少しだけ触れておきます。
気がついた違いは以下です。
・基本的な作りは125と共通
・200Vの方がレスポンスやステアリングが重く感じた
・都内の下道を走った感じだとそこまでパワー差はなかった
・V125と比べて振動が強かった
・一定速度からスロットルを戻した時の「キュイィーーーン」という音がV200の方が目立つ
こんな感じ。V200は高速にも乗れるメリットもありますがパワー感や重さはほぼ変わらず、街乗りだけだったらV125の方が軽快だと感じました。
維持費も125ccの方が有利ですし、駐車場も125cc以下ONLYという場所も都内は多いですし、「高速道路も乗らない」ならあえてV200にしなくていいんじゃないかな?
ただ、このバイクであえて遠出してみたい。という想いも同時に持つので、遠出に備えて200を・・・というのもありか。この辺は悩ましいです。
まとめ
ランブレッタ V125のインプレでした。
初めての125ccのスクーターでしたが、街中を走る分にはパワーは必要十分で文句がなかったことに驚きました。そして「このバイクに似合う服が欲しい」「このバイクでおしゃれなカフェに行ってみたい」という感情も初めてでした。バイクカスタムじゃなくて自分の外装をカスタムしたいって感じでしょうか?(伝われ)
V125には125ccスクーターとは思えない”所有感”がありましたし、これがランブレッティスタになる、ということなのかもしれません。
「おしゃれでちょっとマニアックなスクーターを探している」という方はぜひ一度は検討してみてはいかがでしょう?
・・・貴方もランブレッティスタに、なってみませんか?